『国宝』の李相日監督、吉沢亮らがカンヌ入り、上映前の胸中を明かす
第78回カンヌ映画祭の監督週間に選出された『国宝』の李相日監督、出演の吉沢亮、横浜流星、渡辺謙が現地入りし17日、カンヌのビーチなどで写真撮影に臨んだ。
李監督が2010年『悪人』、16年『怒り』に続き、吉田修一氏の小説を映画化。上方歌舞伎の名家に引き取られたやくざの息子が、その家の御曹司としのぎを削り芸道に人生をささげた50年を描く一大叙事詩だ。
主演の吉沢は、初のカンヌに「海が近くて、映画祭に向けて街の方たちの活気も熱量も高く凄く素敵な街だなと思います」と感想。公式上映を18日に控え、「日本の文化である歌舞伎を通して、この作品を海外の皆さまにどのように受け止めてもらえるかとても気になります。僕たちが意図していない視点で見てくださる人もたくさんいると思うので、反応が楽しみでもあり不安でもありますね」と心境を語った。
一方の横浜は、「芸術あふれる街で美しくて、リゾートの雰囲気も下町のような雰囲気もあって、いろいろな表情がある街」と感嘆。「フランスでは、歌舞伎をはじめ浮世絵など、日本の文化に興味をお持ちの方が多いと思う。日本が誇る伝統芸能である歌舞伎を、どのように感じてくださるのかが凄く楽しみです」と期待した。
渡辺は、既に海外メディアの取材を受けていることを明かし、「僕たちが描きたかったことに関する質問がきているので、海外の皆さまにも伝わると思っています」と確信の笑顔。続けて、「ただ、一般のお客さまがどういうふうに感じるかは凄く楽しみです」と話した。
これまで『悪人』でモントリオール世界映画祭、『怒り』でトロント国際映画祭などを経験している李監督は、「単に日本映画ということだけでなく、今の映画界でトップを走っている俳優たちが勢ぞろいして、日本の伝統芸能を題材にした作品に取り組むという、エンタテインメント性と作品性の両方を持っている作品がカンヌに選出されたということは凄いこと」と自賛。「どう見られるかがとても気になります。公式上映は作り手にとっては重圧で、なかなかタフな時間になると思います」と苦笑交じりに話した。
記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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