スカーレット・ヨハンソン監督作『エリノア・ザ・グレート』、カンヌ初上映で喝采と涙を呼ぶ

スカーレット・ヨハンソンのエレノア大王の歓声、カンヌの涙、涙
『エリノア・ザ・グレート』より、ジューン・スキッブとエリン・ケリーマン(Sony Pictures Classics)
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 スカーレット・ヨハンソンの監督デビュー作『エリノア・ザ・グレート(原題)』が、20日にカンヌ国際映画祭の「ある視点」部門でプレミア上映され、会場には大きな喝采と感動の涙が広がった。

このドラメディ作品は、ジューン・スキッブが演じる主人公エリノア・モーゲンスタンを中心に描かれる。フロリダで自立した生活を送っていた退職女性エリノアは、長年の親友を突然亡くしたのを機に、娘と暮らすためニューヨークへ引っ越す。やがてエリノアは、母親を亡くしたばかりの若い女性(エリン・ケリーマン)と出会い、二人は悲しみを分かち合いながら、ユダヤ人としてのアイデンティティを再発見しようとする。しかし、エリノアには、築き上げた友情を壊しかねない“ある秘密”があった。

ハリウッド・リポーターによるこの映画のカンヌレビューは賛否が分かれた。批評家のロヴィア・ジャーキェは「大胆な着想だが、もっと効果的に活かせたかもしれない」と評した。

20日、カンヌのデビュッシー劇場でのワールドプレミアには、エリン・ケリーマンとジューン・スキッブがスカーレット・ヨハンソンとともに登壇。ヨハンソンは、監督デビュー作をカンヌで初上映できたことを「夢のよう」と表現しつつ、「どこか非現実的な気分でもある」と語った。

また、ジューン・スキッブについては、複雑で魅力的、そして芯の強いエリノアというキャラクターを演じきった「勇気」を称賛し、エリン・ケリーマンの演技に対しては「まさに発見だった」と絶賛。「世界中の人にあなたを知ってもらえることが本当にうれしい」と、期待の英国若手俳優に言葉を贈った。

ジューン・スキッブがカンヌに来たのは10年ぶりだった。前回はアレクサンダー・ペイン監督の『ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅』での出演時であり、その演技でアカデミー賞助演女優賞にノミネートされている。今回の『エリノア・ザ・グレート』の反応を見る限り、二度目のノミネーションの可能性も十分にありそうだ。

現在95歳のジューン・スキッブは、映画『テルマ』での活躍をきっかけに、晩年のキャリアで見事な再評価を受けており、今回の上映後にも、会場から歓声と拍手が送られた。

上映後、スカーレット・ヨハンソンは観客に向けて、「まるで裸のような気持ちだった」と語りつつ、この作品が届ける希望のメッセージを受け取ってもらえたらうれしいと述べた。

「この映画はユダヤ人のアイデンティティについて、友情について、そして何より“赦し”についての物語です。今の時代、私たちにはもっと赦しが必要だと思います。どうか皆さんがこのエリノアの物語を、私が抱えているように、心に留めてくれることを願っています」とヨハンソンは語った。

※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。

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