名脇役ジャック・ベッツ死去 『スパイダーマン』『バットマン』出演、享年96

『スパイダーマン』や『バットマン』シリーズなどの人気映画に出演し、長年にわたりハリウッドで活躍した俳優のジャック・ベッツが、96歳で亡くなった。
甥のディーン・サリヴァン氏によると、ベッツは木曜日、カリフォルニア州ロス・オソスの自宅で安らかに息を引き取った。
ジャック・ベッツは1960年代から1970年代にかけて、イタリアで製作されたマカロニ・ウエスタン(スパゲッティ・ウエスタンとも呼ばれる)映画に約15本出演し、「ハント・パワーズ」の芸名で活動していた。また、アメリカのテレビドラマ界でも長く活躍し、多くの昼の連続ドラマに出演していた。
代表的な出演作品
映画作品
- 『スパイダーマン』(2002年):オズコープ社の重役ヘンリー・バルカン役で、ウィレム・デフォー演じるノーマン・オズボーンに「君はクビだ、ノーマン」と告げる重要な場面に出演
- 『バットマン フォーエヴァー』(1995年)
- 『バットマン&ロビン/Mr. フリーズの逆襲』(1997年)
- 『ゴッド・アンド・モンスター』(1998年):名優ボリス・カーロフ役
テレビドラマ
- 『ワン・ライフ・トゥ・リヴ』(出演:1979-1985年):病院の医師役で6年間レギュラー出演
- その他西部劇ドラマ『ガンスモーク』、『フレンズ』、『Everybody Loves Raymond(邦題:HEY!レイモンド)』など多数
イタリア映画での活躍
ベッツは1966年の映画『必殺の用心棒』で主演を務め、これをきっかけにマカロニ・ウエスタンの世界で活躍した。興味深いことに、同じ時期にクリント・イーストウッドも隣のホテルに宿泊してイタリアで西部劇を撮影していたが、イーストウッドの作品は世界中で配給されたのに対し、ベッツの作品はアメリカとカナダでは配給されず、それ以外の国でのみ上映された。
私生活と友人関係
ベッツは、ドラマ『Everybody Loves Raymond(邦題:HEY!レイモンド)』で知られる俳優ドリス・ロバーツと長年の親友であり、1988年から2016年に彼女が亡くなるまで、ハリウッドヒルズの彼女の自宅で同居していた。2人は1954年にアクターズ・スタジオで出会い、生涯にわたって友情を育んだ。
演技への情熱
1929年にニュージャージー州ジャージーシティで生まれたベッツは、10歳の時にローレンス・オリヴィエ主演の『嵐が丘』を見て俳優を志した。その後、名門アクターズ・スタジオで3年間の奨学金を得て演技を学び、エリア・カザン監督の作品にも出演した。
ブロードウェイでは『ドラキュラ』の舞台でセワード医師役を演じたほか、主演のラウル・ジュリアの代役としてドラキュラ伯爵を1度だけ演じたことがあり、これをキャリアのハイライトの1つとして語っていた。
遺族
ベッツには甥のディーンの他、姪のリンとゲイル、そして今年11月に100歳を迎える予定の姉ジョアンが残されている。
70年という長いキャリアを通じて、メジャー映画からテレビドラマまで幅広く活躍したベッツの逝去は、ハリウッド映画界にとって大きな損失である。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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