『オールド・ガード3』の可能性は?シャーリーズ・セロンが語る、ユマ・サーマンとの初共演&ド迫力のスタントの裏側、シリーズの今後「とにかく壮大に」【インタビュー】

7月2日よりNetflixで配信が開始された、シャーリーズ・セロン主演の大人気アクションシリーズの待望の続編『オールド・ガード2』。2020年の前作『オールド・ガード』は当初、続編の予定はなかったものの、Netflix史上最も視聴された映画の1つとなったことで、第2弾の制作が実現した。
ヴィクトリア・マホーニー監督による『オールド・ガード2』では、前作の終盤から不死の身ではなくなったアンディ(演:シャーリーズ・セロン)が、普通の人間としての生活に適応する姿が描かれる。一方で、アンディと不死身の戦士たちは、行方不明となっていたかつての仲間・クイン(演:ヴェロニカ・ンゴー)の復活や、謎の人物“ディスコード”(演:ユマ・サーマン)の出現など、前代未聞の試練に直面していく。
米『ハリウッド・リポーター』はこのたび、本作に主演するシャーリーズ・セロンにインタビューを敢行。『オールド・ガード』シリーズでプロデューサーも兼任しているセロンが、ユマ・サーマンとの夢の競演、壮大なアクションシーンの制作秘話、そしてシリーズ第3弾の可能性について語った。
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―――観客を代表して言いますが、あなたがアクション映画に出演してくれるのは本当にうれしいです。でも、いつも体を張っていて大変そうですよね。今回の作品では、けがはしませんでしたか?
今回は目の周りに青あざができましたが、骨は折れなかったので、前よりはマシですね。
―――これまでの映画に比べたら、今回はまだ大丈夫なようで安心しました。
けがのほとんどは、言葉で説明しづらい種類のあざなんです。戦闘シーンを数秒ごとにカットせずに連続して撮影しようとすると、どうしても避けられません。衣装の下に入れられるプロテクターの数にも、限りがありますからね。
―――『オールド・ガード2』において、アンディは不死身ではなくなっています。前作と比べて、アンディの戦い方に変化はあったのでしょうか?
そうですね。彼女は必死に戦いますが、無茶はしません。アンディは、ともに戦う仲間たちのことを非常に大切にしています。ナイル(演:キキ・レイン)のなかに特別な何かを感じ取っていて、彼女のそばにいたいと思っているのです。ナイルを盾にする場面もありますが、それは彼女が無事であると確信しているからです。
アンディは、自分の現実を受け入れていて、心の平穏を得ています。それでも、まだ戦い続けたいという意志にあふれている人物なんです。
―――『オールド・ガード2』では、敵役のユマ・サーマンと対決することになりました。これまで、おふたりに接点はありましたか?
いえ、遠くからお互いの存在を知っている程度でした。でも私は、ずっとユマのファンだったんです。これまでもいろいろな企画を立ち上げるたびに、彼女の名前を出してきました。何とかして一緒に作品を作れないかとつねに思っていましたし、周囲の人々からは「あなたたちふたりが、アクション映画で共演したら最高だよね」と何度も言われました。
ユマのアクションは本当にすごくて、ハードルを思いきり引き上げました。だからこそ、私も全力で挑まなければと思いました。
―――本作では、ヘリコプターにぶら下がるという危険なスタントにも挑戦されています。ヘリコプターには、よく乗られるのでしょうか?
ヘリコプターに乗る機会はほとんどありませんし、正直あまり好きではないですね。あのスタントは創作の過程で自然に思いついて、クライマックスとなる第3幕のアクションシーンを、とにかく壮大に見せたいという想いがありました。ユマが参加するからには、迫力満点の見せ場にしたいと考えていました。そして、ヘリコプターを取り入れることになったのですが、そこから「どうやってこのヘリをアクションに組み込むか?」を模索しました。
そこで登場したのが、業界のレジェンドであり、数々の映画でヘリコプターアクションを手がけてきたフレッド・ノースです。私は、フレッドに「どうすれば、グリーンスクリーンに頼ることなく安全に撮影できて、これまで誰も観たことのないような映像にできる?」と尋ねました。
するとフレッドは、「まだ俳優と実践したことはないんだけど、ヘリコプターにぶら下がるのは、正しくやれば意外に安全にできる。見栄えも最高だし、本物のヘリを使えるよ」と提案してくれました。そうして、このアイデアが形になっていったのです。
―――あなたがスクリーンで見せるパフォーマンスには誰もが驚かされますが、ご自身のお子さんたちはあまり感心していないとよくおっしゃっていますよね。そろそろ称賛してくれるようになりましたか?
子どもたちは、しかるべき態度をとっているだけです。親の職業が何であれ、子どもが本当に尊敬の気持ちを示すことって、あまりないと思います。それに今はティーンエイジャーですから、仮に感心していたとしても、それを表には絶対に出しません。
でもいつか、大人になってワインでも飲めるような年齢になったときに、「ママ、あのとき50歳でヘリコプターからぶら下がってたの、超カッコよかったよね。あのとき、ちゃんと認めてあげられなかったね」と言ってくれる日が来ると信じたいですね。
―――『オールド・ガード2』の主な撮影は数年前に終了したものの、ポストプロダクションが予想以上に長引いたと伺いました。その時間から、得たものはありましたか?
そうですね。やはり、与えられた時間をどう活かすかが大事だと思いました。不運な状況でしたが、そのときは世界的でもいろいろなことが起きていました。コロナ禍の影響がまだ深刻で、何度か撮影を中断しなければなりませんでした。でも、その時間を前向きに活用するんです。創造性が尽きることはありませんから。
カメラを止めても、ずっと頭の中では作品のことを考え続けているし、それは編集段階においても同じです。なので、私はその時間を無駄だと思ったことはありません。状況を完全にコントロールすることはできませんが、自分たちにできる最善の使い方はしたつもりです。とにかく試行錯誤を重ねたので、今回の作品が最良の形で仕上がっていると胸を張って言えます。
―――『オールド・ガード2』は、非常に続きが気になるクリフハンガーで終了しています。現時点で、第3弾への自信はどれくらいありますか?
いえ、自信はまったくありません。この業界で学んだことのひとつは、「何ひとつ保証されていない」ということです。Netflix側がこの結末を認めてくれたことは、とても寛大だったと思います。私たちは最初から、このような形で物語を終えるつもりでいましたし、それは1作目とよく似ています。
1作目を作ったときも、「次がある」とは思わずに終えましたが、結果的に続編が生まれました。そして、今回もまったく同じスタンスで制作したのです。正直に言うと、第3弾がどのようなものになるのか、今の時点ではまったく見当もついていません。
―――『オールド・ガード』シリーズのプロデューサーとして、ほかに誇りに思っていることはありますか?
何よりもまず、誰もけがをしなかったことですね。大規模なアクションシーンはいつも、心配の種になりがちなんです。特に、最後のヘリコプターのシーンは撮影の終盤に行われたのですが、長丁場ですでにみんな疲れ切っていました。そういうときこそ、ミスが起きやすいので、かなり集中しなければなりません。けが人を出さずに、無事に撮り終えることができ、本当によかったです。
そして、完成した映画を本当に誇りに思っています。この作品は、決して簡単な企画ではありませんでした。壮大な世界観と神話的な要素をもつ『オールド・ガード』は、キャラクターたちが物語を語るうえで重要な役割を果たしています。それぞれのキャラクターにしっかりと時間をかける必要があるので、脚本の開発はとても難しい挑戦になりました。2時間の映画の中で全員に見せ場を与えつつ、物語が複雑になりすぎないようにするのは、本当に難しい作業です。
長いポストプロダクションを経て、今あらためて振り返ると、完成した作品をものすごく誇りに思います。最初に描いたビジョンをそのまま貫き、決して妥協しませんでした。どんなに困難があっても、ずっと同じ道を走り続けたのです。
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映画『オールド・ガード』シリーズは現在、Netflixで独占配信中。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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