吉行和子さん肺炎のため死去、映画『愛の亡霊』、ドラマ「3年B組金八先生」などで活躍

名女優・吉行和子さんが90歳で逝去
名女優・吉行和子さんが90歳で逝去 写真:Amazon Prime Video/ collaged by THRJ
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俳優でエッセイストの吉行和子さんが2日未明、肺炎のため都内の病院で死去した。90歳だった。9日、所属事務所テアトル・ド・ポッシュが発表した。東京都出身。故人の遺志により、葬儀は近親者のみで済ませた。

吉行さんは、高校在学中に劇団民藝の研究員生となり、1957年に舞台「アンネの日記」の主役で俳優デビュー。78年、大島渚監督の映画『愛の亡霊』が話題となり日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞した。

その後もTBS『3年B組金八先生』シリーズなど映画、テレビドラマ、舞台と幅広く活躍。映画では長年の功績を称えられ、2002年に毎日映画コンクールで田中絹代賞を受賞した。

父が作家で詩人の吉行エイスケ、兄も作家の吉行淳之介という文筆一家で、自身も、1983年に出版したエッセイ集「どこまで演れば気がすむの」で日本エッセイスト・クラブ賞を受賞。母のあぐりは美容師で、97年のNHK連続テレビ小説「あぐり」のモデルとなり、自身も出演した。

俳優としての最後の仕事は、来年公開予定の『あなたの息子ひき出します!』。同作の深川栄洋監督は、自身のXに「子供の頃から憧れていました。何時間もじっと出番を待つその姿が瞼(まぶた)に。2月の撮影のクランクアップの時、撮りこぼしはないですか?と聞かれていましたね。あの映画がもう少しで完成です。今も笑い声が聞こえます」と投稿し追悼した。同作の公式Xも、スタッフ・キャスト一同名義で「吉行さんの魂のこもったお芝居を、少しでも多くの人に観ていただけるように頑張ります。どうか見守っていてください」と悼んだ。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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