セス・マイヤーズ、『ジミー・キンメル・ライブ!』無期限放送停止に対し言論の自由を主張――「これまで通り番組を続けていく」

現地時間9月17日(水)、米ABCは、ジミー・キンメルが司会を務める人気トーク番組『ジミー・キンメル・ライブ!』を無期限で放送中止にすると発表した。キンメルがチャーリー・カーク氏殺害事件を巡り、番組内で「MAGA(アメリカを再び偉大に)派の人々は、カークを殺した若者が仲間ではないことにしようと必死になり、あらゆる手段で政治的な点数を稼ごうとした」などと発言したことが発端だ。
同日、連邦通信委員会(FCC)のブレンダン・カー委員長はポッドキャストに出演し、キンメルの発言を公に非難した。カー委員長は「ニュースを歪曲するような内容を放送し続けた場合、放送免許を剥奪する可能性がある」と述べ、ABC系列局に対して『ジミー・キンメル・ライブ!』の放送を中止するよう要請した。
俳優のセス・マイヤーズは現地時間9月18日(木)に放送された自身のトーク番組『レイト・ナイト・ウィズ・セス・マイヤーズ』(NBC)で、このABCへの処分について触れた。番組内でマイヤーズは言論の自由の重要性を主張し、キンメルへの支持を表明した。
セス・マイヤーズ、番組内でキンメル支持を表明
コーナーの冒頭で、マイヤーズは「ドナルド・トランプ氏を常に称賛し、尊敬していた」と冗談を言った。その後、トランプ米大統領が「アメリカにおける言論の自由を守る」と主張した映像が流れると、マイヤーズはキンメルについて言及した。
「キンメルを友人と呼べることは特権であり名誉です。毎日目が覚めると、少なくとも言論の自由を重んじる国に住んでいることに感謝します。私たちはこれまで通り熱意と誠実さを持ち、番組を続けていきます」
また、「これは重要な転換点であり、私たちの民主主義にとって大きな節目です。私たちは皆、表現の自由の原則を守らなければなりません。言論の自由がアメリカ合衆国憲法修正第1条に盛り込まれているのは、他のすべての条項より優先されるものだからです」と述べた。
深夜番組の伝説的司会者であるデイヴィッド・レターマンをはじめとする多くのハリウッド関係者も、『ジミー・キンメル・ライブ!』の放送中止に反対の意思を示している。
トランプ大統領はSNSで反応、マイヤーズも反論
マイヤーズもキンメルと同様に、長年にわたってトランプ大統領とその政権への批判をあらわにしてきた。トランプ大統領はSNS「Truth Social」に、キンメルの出演停止を揶揄する内容とともに、「残るはジミー(・ファロン)とセス、フェイクニュースNBCという負け組たちだ」と痛烈な批判を投稿した。
米『ハリウッド・リポーター』が得た情報によれば、キンメルは次回の『ジミー・キンメル・ライブ!』で番組への批判に対応する準備をしていた。キンメルは自身の発言を正確に説明し誤解を解こうとしており、謝罪するつもりはないという。
マイヤーズは「この件は本当に気分が悪い。なぜなら、誰もがこの先どうなるかを分かっているからです。メディアは管理下に置かれています。ばかばかしい。権威主義的で不正な政権を恐れたり、媚びへつらって誰かを解雇したりするなんて、ありえません」と語った。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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