妻夫木聡、2度の撮影延期乗り越え『宝島』公開に感慨「立派な大人になるよう可愛がって」
真藤順丈氏の直木賞受賞小説を映画化した『宝島』が19日、全国377館で封切られた。主演の妻夫木聡は共演の広瀬すず、窪田正孝、永山瑛太、栄莉弥、光路、大友啓史監督とともに東京・新宿バルト9で初日舞台挨拶。コロナ禍による2度の撮影延期を乗り越え、企画から6年をかけての待望の公開に「皆の思いのおかげ。思う力があったからこそ、立ち上がることができた」と万感の表情を浮かべた。
米統治下の戦後の沖縄で、米軍基地から物資を盗む戦果アギヤーたちの青春群像と、その20年後に彼らのリーダーの失踪の真実が明らかになる壮大な叙事詩。上映時間は3時間11分に及び、製作費は日本映画として破格の25億円に上った。
大友監督は、「個人的には20年くらい前から温めていたテーマ。規模も尺もきわきわの挑戦で、全てをぶち込んだ。時間はかかりましたが、ようやくたどり着けた」と安どした表情。沖縄で43カ所、41日間のロケを行い「エキストラの一人一人にも細かく演出した。撮影ブースでは一人ほくそ笑んで、いいグルーヴを感じていた」と自信たっぷりだ。
妻夫木は座長として「宣伝アンバサダー」を名乗り、6月7日の沖縄プレミアから全国キャラバンをスタート。この日午前の埼玉・所沢まで全国27都市を行脚し、特製の名刺を手渡すなど、延べ5300人のファンとふれ合った。
「一つ一つの場所で、だんだん家族が増えていく感覚があった。感謝しています」と感慨深げ。20日も栃木・小山、千葉を回りさらにキャンペーンを加速させる予定で「宣伝も製作の一つと思えるようになり、映画に栄養を与えている気持ちにもなった」とその意義を強調した。
さらに、「映画の力によって1%でも誰かの人生を変えられるなら、僕はそれを信じたい」と強調。そして、「僕たちにとっては子供のような存在の映画。育ててもらうのは皆さんで、立派な大人になるように可愛がってください。皆さんにとっての宝は何かを探してください」と力強くアピールした。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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