ロバート・レッドフォード映画人生総覧|『明日に向って撃て!』から引退作まで17選

『明日に向って撃て!』 写真:20th Century Fox Film Corp./Courtesy Everett Collection
『明日に向って撃て!』 写真:20th Century Fox Film Corp./Courtesy Everett Collection
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ハリウッドの黄金期を象徴する存在として、約60年にわたり観客を魅了してきたロバート・レッドフォード。彼のキャリアは俳優としての輝きだけでなく、監督・プロデューサーとしての功績、そしてサンダンス映画祭を創設した文化的影響まで幅広い。ここでは、映画史に刻まれた代表的な17作品を振り返る。

1. 『恋人よ帰れ!わが胸に』(1960年)

『恋人よ帰れ!わが胸に』 写真:Courtesy Everett Collection
『恋人よ帰れ!わが胸に』 写真:Courtesy Everett Collection

レッドフォードの映画デビュー作。アンソニー・パーキンスジェーン・フォンダ主演の学園コメディに、無名ながらバスケットボール選手役で出演。作品自体は大きな評価を得られなかったが、フォンダとの長きにわたる縁を築いた。

2. 『裸足で散歩』(1967年)

『裸足で散歩』 写真:Silver Screen Collection/Getty Images
『裸足で散歩』 写真:Silver Screen Collection/Getty Images

ニール・サイモンの舞台劇を映画化。フォンダと再共演し、堅物の弁護士と自由奔放な妻を演じた。レッドフォードは一躍人気スターとなり、作品は大ヒット。

3. 『明日に向って撃て!』(1969年)

『明日に向って撃て!』 写真:20th Century Fox Film Corp./Courtesy Everett Collection
『明日に向って撃て!』 写真:20th Century Fox Film Corp./Courtesy Everett Collection

ポール・ニューマンと共演した西部劇。実在の無法者ブッチ・キャシディとサンダンス・キッドの友情を描き、1969年の全米興行収入1位を記録。後に彼が設立する映画祭「サンダンス映画祭」の名称は、この役名に由来する。

4. 『ダウンヒル・レーサー』(1969年)

ダウンヒル・レーサー』 写真:Courtesy Everett Collection
ダウンヒル・レーサー』 写真:Courtesy Everett Collection

スキー競技を題材にした青春ドラマ。興行的には振るわなかったが、ロジャー・エバートら批評家に高く評価され、「スポーツを超えた人間ドラマ」と称された。

5. 『大いなる勇者』(1972年)

『大いなる勇者』 写真:Warner Brothers/Courtesy Everett Collection
『大いなる勇者』 写真:Warner Brothers/Courtesy Everett Collection

シドニー・ポラック監督と組んだ西部劇。厳しい自然の中で生き抜く山男を演じ、カンヌ国際映画祭で西部劇として初めて上映された。ユタ州で撮影され、レッドフォードの自然志向を象徴する作品である。

6. 『候補者ビル・マッケイ』(1972年)

『候補者ビル・マッケイ』 写真:Courtesy of Everett Collection
『候補者ビル・マッケイ』 写真:Courtesy of Everett Collection

カリフォルニア上院選を戦う理想主義者を描いた政治ドラマ。次第に妥協を重ねていく主人公像は当時のアメリカ政治を鋭く風刺し、脚本賞でアカデミー賞を受賞。

7. 『追憶』(1973年)

『追憶』 写真:Courtesy Everett Collection
『追憶』 写真:Courtesy Everett Collection

バーブラ・ストライサンドと共演したラブストーリー。時代背景にはマッカーシズムや人種差別といった社会問題が描かれた。主題歌「追憶」はアカデミー賞歌曲賞を受賞し、作品は大ヒット。

8. 『スティング』(1973年)

『スティング』 写真:Courtesy Everett Collection
『スティング』 写真:Courtesy Everett Collection

『明日に向って撃て!』のコンビが再集結。1930年代を舞台にした詐欺師の物語で、興行的にも批評的にも大成功を収めた。アカデミー賞では作品賞を含む7部門を受賞し、レッドフォードは主演男優賞にノミネート。

9. 『華麗なるギャツビー』(1974年)

『華麗なるギャツビー』 写真:Courtesy Everett Collection
『華麗なるギャツビー』 写真:Courtesy Everett Collection

F・スコット・フィッツジェラルド原作の名作文学を映画化。ジェイ・ギャツビー役を熱望し演じたが、評価は賛否両論。ただし興行的には成功を収めた。

10. 『コンドル』(1975年)

『コンドル』 写真:Courtesy Everett Collection
『コンドル』 写真:Courtesy Everett Collection

CIA分析官を演じたスパイスリラー。昼食中に同僚全員が殺され、命を狙われる孤独な主人公を熱演。後年『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』などに影響を与えた名作。

11. 『大統領の陰謀』(1976年)

『大統領の陰謀』 写真:Courtesy Everett Collection
『大統領の陰謀』 写真:Courtesy Everett Collection

ワシントン・ポスト記者ボブ・ウッドワード役を演じ、ダスティン・ホフマンと共にウォーターゲート事件を追う姿を描いた。社会派映画として高い評価を受け、アカデミー賞主要部門にノミネートされた。

12. 『普通の人々』(1980年)

『普通の人々』 写真:Paramount/Courtesy Everett Collection
『普通の人々』 写真:Paramount/Courtesy Everett Collection

監督デビュー作。息子を失った家族の再生を描いたドラマで、アカデミー賞監督賞を受賞。以降、レッドフォードは俳優だけでなく監督としても評価を確立した。

13. 『ナチュラル』(1984年)

『ナチュラル』 写真:Courtesy Everett Collection
『ナチュラル』 写真:Courtesy Everett Collection

天才野球選手ロイ・ハブスの栄光と挫折を描いたスポーツ映画グレン・クローズと共演し、感動的なクライマックスは映画史に残る名シーンとなった。

14. 『愛と哀しみの果て』(1985年)

『愛と哀しみの果て』 写真:MCA/Universal/Courtesy Everett Collection
『愛と哀しみの果て』 写真:MCA/Universal/Courtesy Everett Collection

メリル・ストリープと共演した壮大なラブストーリー。ナイロビを舞台に、実在の作家カレン・ブリクセンの回想録を映画化。作品賞を含むアカデミー賞7部門を受賞した。

15. 『幸福の条件』(1993年)

『幸福の条件』 写真:Paramount/Courtesy Everett Collection
『幸福の条件』 写真:Paramount/Courtesy Everett Collection

デミ・ムーアウディ・ハレルソンと共演。富豪が若い夫婦に「彼女と一晩を過ごさせてくれるなら、100万ドルを2人に差し上げよう」と持ちかける衝撃の設定で物議を醸したが、世界的にはヒットを記録した。

16. 『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』(2014年)

『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』 写真:Zade Rosenthal/Walt Disney Studios Motion Pictures/Courtesy Everett Collection
『キャプテン・アメリカ/ウィンター・ソルジャー』 写真:Zade Rosenthal/Walt Disney Studios Motion Pictures/Courtesy Everett Collection

マーベル作品に出演。政府高官にしてヒドラの幹部という悪役を演じ、重厚な存在感を示した。往年の政治スリラーへのオマージュが込められている。

17. 『さらば愛しきアウトロー』(2018年)

『さらば愛しきアウトロー』 写真:Photofest
『さらば愛しきアウトロー』 写真:Photofest

伝説的な銀行強盗フォレスト・タッカーを演じた引退作。70代にしてなお軽妙でチャーミングな役柄を体現し、キャリアの総決算ともいえる作品となった。


ロバート・レッドフォードは「二枚目俳優」の枠に収まらず、社会派映画や政治的テーマ、そして監督としても数々の名作を残した。サンダンス映画祭の創設者としても、映画界の未来に多大な影響を与え続けた。彼の作品群は、今なお観客に鮮烈な印象を残している。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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