アンジェリーナ・ジョリー、アメリカ社会の分断を憂慮「今は重苦しい時代」

アンジェリーナ・ジョリー
アンジェリーナ・ジョリー(第73回サン・セバスティアン国際映画祭にて)写真: ANDER GILLENEA/AFP via Getty Images
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アンジェリーナ・ジョリーの見るアメリカ社会

アンジェリーナ・ジョリーが、母国アメリカの混迷する現状について率直な思いを語った。

ジョリーは現地時間の日曜日、サン・セバスティアン国際映画祭の記者会見に登場した。あくまで会見はジョリーの出演する最新作『クチュール(原:Couture)』のプレミア上映に先駆けたもの。しかし、記者からは途中で彼女にアメリカ社会の現状に関する質問が飛ぶ一幕もあった。それに対してジョリーは次のように語る。

「とても難しい質問ですね。私は自分の母国を愛していますが、今ではアメリカが本当に母国と呼べるのか分からないほど変わってしまいました。私は常に国際的な生活をしてきました。そして家族も国際的です。ですから、私の人生や世界を評価する視点は平等で一つなのです。その意味で、分断を煽ったり、表現の自由を制限するような国や出来事は危険だと感じています」

その上で、ジョリーは最近の出来事を踏まえてか、記者会見での発言にも「とても慎重にならなくてはならない」ほど「重苦しい時代」だと世相を分析した。

最新作『クチュール』

なお、ジョリーは最新作『クチュール』にて、40代のアメリカ人映画監督であるマクシーンを演じる。物語は、パリ・ファッションウィークに関する仕事でフランスを訪れたマクシーンが乳がんの診断を受けて…という筋書きだ。監督は『博士と私の危険な関係』(2012)などで知られるアリス・ウィノクールである。

なお、ジョリー自身も2013年に乳がんの予防措置として乳房切除術を受けた。それだけに、今回の役柄には特別な思い入れがあったようだ。

「私は兄弟を亡くしていましたし、BRCA1遺伝子に変異が見つかりました。だから手術を受けることにしたのです。みんなが同じ決断をすべきとは思いませんが、その選択肢が開かれていることは重要だと思います」

さらに、今回作中でジョリーが母親の形見のネックレスを身につけていたことに関しても質問が飛んだ。ちなみに、ジョリーは2007年に母親を卵巣がんで亡くしている。彼女は時おり声を詰まらせながら応えた。

「母について話すのはとても難しいです。きっと皆さんも母のことを好意的に思ってくださっていたと思います。撮影中、私は実際に母のネックレスを身につけていました。そして遺灰もです。私は彼女がもっと素直に話せたら良かったと思います。そして周囲が皆さんのように寛大で、孤独を感じずに済んだら良かったのにと思いました。きっと彼女はマクシーンにこう言ったはずです。『毎日を生き、人生を精一杯生きて、どんなことも当然だと思ってはいけない』と」

※本記事は要約・抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら

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