【東京国際映画祭2025】コンペティション部門に日本から『金髪』『恒星の向こう側』が選出
第38回東京国際映画祭(10月27日~11月5日)のラインナップ発表会見が1日、都内で行われた。
メインのコンペティションをはじめ、長編3本目までのアジアの映像作家を対象にしたコンペのアジアの未来、世界各国の話題作を集めたガラ・セレクションなど11部門で構成。安藤裕康チェアマンは、交流ラウンジのステップアップ、ジェンダー問題への取り組み、未来を築く人材の育成を3本柱に掲げ、「映画を通じた対話と調和を充実させたい」と抱負を述べた。
コンペには世界各国の15作品がエントリー。日本からは坂下雄一郎監督の『金髪』と中川龍太郎監督の『恒星の向こう側』が選出された。
坂下監督は初出品でコンペに選ばれ、「学生時代に日本映画スプラッシュ部門に応募して落ちたことがあるので感慨深い」と控えめ。一方の中川監督もコンペは初めてで、「自主映画の頃から上映してもらい、縁が深い映画祭で凄く光栄」と喜びを語った。
審査委員長のイタリアのプログラマーのカルロ・シャトリアン氏をはじめ、台湾の俳優グイ・ルンメイ、フランスのマチュー・ラクロー氏、日本の俳優・斎藤工、中国の監督ヴィヴィアン・チュウが審査委員を務める。市山尚三プログラミングディレクターは、「さまざまなジャンルの作品が集まり、どのように審査されるのか興味深い」と期待を寄せた。
フェスティバル・ナビゲーターを務めるのは俳優の瀧内公美。昨年の東京グランプリなど3冠に輝いた『敵』などに出演しているが、「デビュー当時から足繁く通っていた映画祭。青天のへきれきで、うれしくもあり緊張もしています」と笑顔。「映画祭は国内での上映が難しい作品が見られるのもだいご味。新しい作家との出会いの場所にしてほしい」と呼びかけた。
また、アジア学生映画コンファレンス部門を新設。アジア各国の大学や映画学校から推薦された60分以内の映画が対象で、15作品を3つのプログラムに分けて上映される。
取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元
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