『ヒート2』が始動──マイケル・マン監督×レオナルド・ディカプリオ主演候補で伝説の続編が現実に

1995年の傑作クライムドラマ『ヒート』の続編となる映画『ヒート2(原題:Heat 2)』が正式に始動した。監督は前作に続きマイケル・マン。主演候補としてレオナルド・ディカプリオの名前が挙がっており、ジェリー・ブラッカイマー(『トップガン』シリーズ)とスコット・スタバー(元Netflix映画部門責任者)がプロデューサーに就任する。制作はワーナー・ブラザースからアマゾン傘下のユナイテッド・アーティスツ(UA)へと移ることが決定した。
伝説の『ヒート』から30年、再び宿命の男たちが動き出す
前作『ヒート』は、アル・パチーノ演じるロサンゼルス市警の刑事ヴィンセント・ハンナと、ロバート・デ・ニーロ扮する天才的犯罪者ニール・マッコーリーの対決を描いた名作。
緊迫の銃撃戦、犯罪者と刑事の間に流れる奇妙な共鳴――その完成度の高さから“犯罪映画の金字塔”と称されてきた。
その続編『ヒート2』は、マン監督が作家メグ・ガーディナーと共著した同名小説(2022年刊行)を原作とする。原作は発表と同時にニューヨーク・タイムズ紙ベストセラー第1位を記録しており、映画化が待望されていた。
若きマッコーリーの過去と、事件後の運命を描く
本作は、前作の前日譚と続編を兼ねた壮大な物語構成だ。
一方の時間軸では若き日のマッコーリーが仲間とともに大胆な強盗を繰り返す姿を描き、もう一方ではヴァル・キルマー演じるクリス・シヘルリスの“事件後”の行方が語られる。彼は恋人(前作でアシュレイ・ジャッドが演じた)を取り戻すため、南米の無法地帯を逃亡する――という筋書きだ。
物語には、前作を凌ぐ残忍な新たな敵・オーティス・ウォーデルという殺人鬼も登場する。
巨額予算と豪華キャスト交渉の舞台裏
出演候補にはディカプリオのほか、オースティン・バトラー、アダム・ドライバー、ブラッドリー・クーパーらの名も浮上している。
制作費をめぐっては、当初2億3,000万ドル(約343億円)と試算されたが、マン監督が1億7,000万ドル(約253億円)まで削減。しかしワーナー側は1億4,000万ドル(約209億円)を上限としたため、合意に至らなかった。結果、UAが新たに引き継ぎ、映画化が実現することとなった。
脚本には『インサイダー』(1999)でマン監督とタッグを組んだエリック・ロスがエグゼクティブ・プロデューサーとして参加。脚本家シェーン・サレルノ(『アバター:ウェイ・オブ・ウォーター』)も製作陣に名を連ねる。
マイケル・マンの集大成となるか
本作はシカゴ、ラスベガス、ロサンゼルス、南米などを舞台にした壮大なスケールで展開される予定。マイケル・マン特有の緻密な演出と現実感あふれる銃撃シーンに期待が高まる。
ハリウッド関係者によると「誰もがこの作品に出たがっている」とのことで、映画史に再び名を刻む“新たな犯罪映画の金字塔”となる可能性がある。
※為替は1ドル=149円(2025年10月現在)で換算。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
【関連記事】
- 【追悼:ヴァル・キルマー】出演映画10選…“アイスマン”役『トップガン』、『ヒート』ほか
- レオナルド・ディカプリオの出演映画12選|代表作『タイタニック』からオスカー受賞作『レヴェナント』まで
- 【U-NEXT】2025年10月のおすすめ配信|『ミッキー17』独占見放題&『IT』前日譚シリーズも登場!
- レオナルド・ディカプリオ、最新作でTikTokデビュー|『ワン・バトル・アフター・アナザー』宣伝でバイラルヒット
- 【10月公開映画】レオナルド・ディカプリオ『ワン・バトル・アフター・アナザー』にスピルバーグが絶賛コメント
- マイケル・マン、映画『ヒート』続編の脚本は「すぐに完成させなければならない」と語る