Netflixドラマ『オレたちブーツ』が国防総省による批判の標的に

Miles Heizer as Cameron Cope in Episode 102 of Boots.
マイルズ・ハイザー(『オレたちブーツ』より)写真:Alfonso "Pompo" Bresciani/Netflix
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保守派の標的となったNetflix

Netflixが国防総省による批判の矛先となった。

ことの発端は、Netflix制作のドラマ『オレたちブーツ』だ。同シリーズは1990年代を舞台に、海兵隊へ入隊したゲイの主人公の経験を描くものだ。

『オレたちブーツ』予告編⑴

同作の内容に対し、国防総省報道官のキングスリー・ウィルソン氏が米国のエンタメ専門誌による取材の中で苦言を呈した。これを受けて、国防総省も以下のような公式の見解を提示した。

「トランプ大統領とヘグセス国防長官の下で、米軍は戦士の精神を取り戻そうとしております。私たちが要求する水準は高く、均一で、何より性別を問いません。背中に背負うバックパックや仲間の重さは男性であるか、女性であるか、ゲイであるかによって変わることはないのです。ですから、私たちはイデオロギー的な事情でその水準を歪めることはありません。私たちは『ウォーク』(過度なポリコレ)なたわごとを視聴者や子供達に押し付けるNetflixとは違うのです」

Netflixが米国で保守派から批判されるのはこれが初めてではない。つい最近も、アニメ作品『デッドエンド:パラノーマル・パーク』におけるトランスジェンダーの描写を巡り、イーロン・マスク氏などが同社のボイコット運動を展開した。

好評配信中『オレたちブーツ』:その内容は?

『オレたちブーツ』は今月配信が開始されて以降、好評を博しており、人気ドラマランキングのトップ10を維持している。同作の主演を務めるのは『13の理由』(2017-2020)などにも出演したマイルズ・ハイザーだ。ルイジアナ出身の主人公はゲイであることを隠しており、「真の男になることとは何か」を追求して海兵隊を志願する。

『オレたちブーツ』予告編⑵

『スレート』誌も同作のレビューにて指摘するように、同作のテーマはヘグセス国防長官による「男性としての最高の基準」という物議を醸した発言にも通じるものだ。

『オレたちブーツ』は1990年代の米軍を批判的に描く。当時、ゲイである兵士はそのことを隠すか処罰されるかを選ばなくてはならなかった。さらに、当時の米軍には現代であればパワハラ・モラハラとなるような習慣が蔓延っていたことも同作は批判的に描く。

しかし、それと同時に同作は軍隊に敬意を払うことも忘れない。『オレたちブーツ』は軍隊生活におけるポジティブな側面として、仲間を得られることの重要さや自尊心の向上を描く。

幸か不幸か、国防総省の発言を受けて『オレたちブーツ』には今後も一層注目が集まることだろう。

※本記事は要約抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら

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