石田ゆり子『もののけ姫』の声優起用は声ではなく宮崎駿監督のタイプだったから⁉

(左から)松田洋治、石田ゆり子、鈴木敏夫プロデューサー
(左から)松田洋治、石田ゆり子、鈴木敏夫プロデューサー ©︎The Hollywood Reporter Japan
スポンサーリンク

宮崎駿監督の1997年のアニメーション映画『もののけ姫』4Kデジタルリマスターのプレミア試写会が20日、東京・TOHOシネマズ新宿のIMAXスクリーンで行われ、声優を務めた俳優の松田洋治、石田ゆり子鈴木敏夫プロデューサーが出席した。

公開当時は歴代最高の興収193億円を記録し、2020年の再公開により現在は201億8000万円に達している。もののけ姫のサンの声を担当した石田は、「28年たって、このような形で見られることがとても幸せ」とほほ笑んだ。

映画『もののけ姫』でサンの声を担当した石田ゆり子
石田ゆり子 ©︎The Hollywood Reporter Japan

主人公のアシタカ役に抜てきされた松田は、「ジブリのオーディションに行けと言われ、アシタカのセリフを読んだけれどサンプル録りだと思っていた」と述懐。その後、ジブリからの連絡もなかったが、「ある日、特報を見た知り合いから『洋治、凄いね』と言われ、映画館に行ったら自分の声が聞こえてきたんです」と、まさかの経緯を明かした。

一方の石田は、「ある日事務所に行ったら鈴木さんがいらしていて、当時のマネジャーと話をしていた。なぜ私?と思ったが、天にも昇るほどうれしかった」と笑顔。1994年、高畑勲監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』でもヒロインの声を務めており、鈴木氏は「(起用の)主な理由は、宮﨑駿のタイプだったこと。声じゃない」と、こちらも意外な“真実”をカミングアウトした。

映画『もののけ姫』でアシタカの声を担当した松田洋治
松田洋治 ©︎The Hollywood Reporter Japan

アフレコも相当なリテークを重ねたそうで、「監督は誰に対しても引っ掛かったらとことんこだわる。途中で『今日は帰れ』と言われたこともあった」と苦笑。石田も、「私が全員の中で一番下手くそで、独りで居残り授業のよう。毎日泣きそうで、夢の中にいるけれど地獄みたいな、不思議な恍惚感だった」と振り返った。

さらに石田は、同作の製作発表で「私は降ろされるかもしれない」と発言したこともあり、「今でも録り直したい。そのくらい反省点が多い。あの時の声は出ませんが」と願望を吐露。鈴木氏は、10年前に直談判されたそうで「今ならやれると真剣な目で言うので、本気なんだと思って悩みましたね」と秘話を語った。

スタジオジブリ、鈴木敏夫プロデューサー
鈴木敏夫プロデューサー ©︎The Hollywood Reporter Japan

声優の2人はこれほどのヒットになるとは想像もしておらず、松田は「『もののけ姫』がなかったら、全く違う俳優人生を歩んでいた。最も大きな影響を与えた作品です」と感慨深げ。石田も、「海外に行って、どのような作品に出ているかと聞かれサンの声をやったと話すと物凄く尊敬される。さすがジブリ。凄いことですよね」と笑顔で話していた。

『もののけ姫』4Kデジタルリマスターは、10月24日に全国のIMAXで期間限定上映される。

エンスカイ(ENSKY) もののけ姫 名台詞かるた 札サイズH89×W58mm 424718
Amazon.co.jp

もののけ姫 名台詞かるた

取材/記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元

【関連記事】

スポンサーリンク

類似投稿