平岳大、東京国際映画祭でTHRトレイルブレイザー賞を受賞へ ―― 『SHOGUN 将軍』での演技が世界で評価

第38回東京国際映画祭において、俳優の平岳大が米国の業界誌『ハリウッド・リポーター』(THR)より「トレイルブレイザー賞」を受賞することが発表された。同賞はモーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)とTHRが共同で授与するもので、グローバルなエンターテインメント業界において国境や文化の垣根を越えた物語を描き、多様性の促進に貢献したアーティストに贈られる。
授賞式は10月28日、六本木ヒルズクラブで開催される「アメリカン・フィルム・ナイト」祝賀パーティー内で行われる。日米両国の映画業界から著名な関係者、映画製作者、俳優らが集う華やかなイベントであり、平は昨年の浅野忠信に続いて、2人目の日本人受賞者となる。
▼『SHOGUN 将軍』での圧倒的な演技に世界が注目
平岳大が世界的に注目を集めたのは、FX制作の歴史大作ドラマ『SHOGUN 将軍』での石堂和成役だ。真田広之、アンナ・サワイと共演し、野心に満ちた武将を多層的に演じた平の演技は高く評価され、エミー賞ドラマシリーズ部門の助演男優賞にもノミネートされた。
その勢いは止まらない。サーチライト・ピクチャーズ製作の新作映画『レンタル・ファミリー』では、オスカー俳優ブレンダン・フレイザーと共演。HIKARI監督による本作はトロント国際映画祭で好評を博し、今年の東京国際映画祭ガラ・セレクション部門でも上映される。
さらに最近は、ライオンズゲート製作の新作映画『Karoshi(原題)』の撮影を終えたばかりだ。共演にはシンシア・エリヴォ、ユ・テオ、イザベル・メイら国際的なキャストが名を連ねる。また昨年は、ケイト・ブランシェット、アリシア・ヴィキャンデルとともに出演したガイ・マディン監督の『Rumours(原題)』がカンヌ国際映画祭で披露された。
▼20年にわたる国際的キャリアの集大成
東京生まれの平岳大は、日本映画・テレビドラマで長年にわたり活躍してきた実力派俳優。過去20年にわたり、ハリウッド、ヨーロッパ、アジアのプロジェクトを自由に行き来し、真のグローバル俳優として地位を確立した。
国際的な転機となったのは、NetflixとBBCが共同製作したシリーズ『Giri / Haji』(2020)。刑事・森健三を演じた平は、英国アカデミー賞(BAFTA)テレビ部門の主演男優賞候補に選出され、批評家からも絶賛された。現在は、Apple TV+の人気シリーズ『モナーク:レガシー・オブ・モンスターズ』シーズン2への再出演も決定している。
日本国内でも、原田眞人監督の『検察側の罪人』(2018)、三池崇史監督の『一命』(2011)、三上康雄監督の『蠢動 -しゅんどう-』(2013)などに出演。海外では、ニール・ブロムカンプ監督の『グランツーリスモ』(2023)、ロベルト・シュヴェンケ監督の『G.I.ジョー:漆黒のスネークアイズ』(2021)、そしてマーベル・スタジオ最新作『キャプテン・アメリカ:ブレイブ・ニュー・ワールド』(2025)といった大作映画にも参加している。
▼東京国際映画祭と関連イベント
日本最大級の映画祭である東京国際映画祭は、2025年10月27日から11月5日まで銀座地区を中心に開催される。映画祭期間中の10月29日には、全米映画協会(MPA)と東京国際映画祭の共催による業界向けプログラムが実施され、日本における映画制作環境の発展をテーマに議論が交わされる。
登壇者には、『エルヴィス』のスカイラー・ワイス、『SHOGUN 将軍』の宮川絵里子、『エイリアン:アース』のアピナット・オッブ・シリチャロエンジット、『TOKYO VICE』の楠純子といった国際的に活躍するプロデューサーが名を連ねている。また、10月31日にはスカイラー・ワイスが映画祭マーケット部門「TIFFCOM」において、映画製作に関する特別講座を開催する予定だ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
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