ショーン・コムズ被告の釈放日が判明――トランプ大統領の恩赦は絶望的か
性的人身売買の容疑で逮捕された米音楽界の大物、ショーン・コムズ(ディディ)被告の出所予定日が判明した。連邦刑務所局によると、釈放予定日は2028年5月8日。ショーン・コムズ被告は「マン法(Mann Act※)」違反の罪で50か月(約4年2か月)の拘禁刑を言い渡されている。
(※マン法:売春や性的行為を目的とした女性の州間移動を禁じるアメリカの法律)
刑期は4年2か月――売春目的の人身輸送で有罪判決
コムズ被告は2024年夏にニューヨークで逮捕された後、8週間にわたる裁判を受けた。陪審員は、コムズ被告を「売春目的の人身輸送」で有罪としたものの、より重い罪状については無罪としている。
裁判では、かつての交際相手2人が証言台に立ち、ドラッグにまみれた「フリークオフ・パーティー」と呼ばれる乱交イベントの実態を語った。検察側は、コムズ被告が女性たちを脅迫してこれらの行為に参加させ、「犯罪組織」のように運営していたと主張した。
一方弁護団は「ただちに釈放されるべきだ」と申し立てたが、裁判官はこれを退け、正式に4年2か月の実刑を宣告。コムズ被告は、家族の近くにいるため、そして薬物更生プログラムを受けるためにニュージャージー州フォート・ディックス刑務所への収監を希望したが、これも却下された。
裁判を担当したアルン・スブラマニアン判事は、10月8日の判決文で「被告側の希望する地域への収監は勧告するが、特定の施設までは指定しない。施設は連邦刑務所局が決定する」と述べている。最終的にコムズ被告は、ニューヨーク近郊の刑務所に収監され、更生プログラムの対象として検討されるという。
「大統領恩赦」報道をホワイトハウスが完全否定
さらに一部で報じられた「大統領恩赦が間近」という噂も、ホワイトハウスが完全否定。関係者はNBCニュースに対して「TMZ(※)の報道には一切の事実がない。問い合わせがあれば、虚偽報道を避けられただろう」とコメントしている。
ドナルド・トランプ大統領も本件について「多くの人から恩赦の要望を受けている。コムズ被告もその1人だ」と述べつつ、実現の可能性には否定的な姿勢を示している。今年8月、Newsmaxのインタビューでトランプ大統領は「昔はコムズ被告と仲が良かったが、私が大統領選に出てからは非常に敵対的だった」と語っており、恩赦への期待はほぼ絶たれた形だ。
現在、コムズ被告の弁護団はニューヨーク州南部地区連邦地方裁判所に控訴状を提出しているが、詳細はまだ公表されていない。音楽界の帝王として1990年代を駆け抜けた男が、再び表舞台に立つ日は来るのか――その答えが出るのは、まだしばらく先になりそうだ。
(※TMZ:エンターテインメントとセレブリティに関するニュースサイト)
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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