ロンドン映画祭に史上最高23万人が来場|観客最高賞はクロエ・ジャオ監督『ハムネット』
先月8日から19日にかけて、BFI(英国映画協会)主催のロンドン映画祭が開催された。同イベントには12日間で23万5853人が足を運び、映画祭が始まって以降、最大の観客動員数となった。
また、今回チケットを購入した人々のうち、47%が新規の来場者だったという。
今年が69回目となるロンドン映画祭は『Wake Up Dead Man: A Knives Out Mystery (原題)』のプレミア上映と共に幕を開けた。それ以降、同映画祭では、『ジェイ・ケリー』、『フランケンシュタイン』、『Bugonia(原題)』など、話題作の数々が連日にわたって上映された。
そんな中、特に観客の注目を集めたのが映画祭のお膝元、ロンドンを舞台とした『ハムネット』だ。クロエ・ジャオ監督が手がけた同作は息子の死と向き合うウィリアム・シェイクスピアと、その妻アグネスを描く一作だ。そんな同作は、木曜日(現地時間)にロンドン映画祭の最高観客賞を受賞したことが発表された。
『ハムネット』でウィリアム・シェイクスピア役を務めたポール・メスカルは映画祭にて米『ハリウッド・リポーター』の取材にこう語っていた。
「私は原作の小説が本当に大好きでした。そして(テルライド映画祭)は、私が大胆にも自らを売り込んでいた数少ない機会の一つでしたね。『これは絶対にうまくいくと思う』と強く信じていました。クロエ(ジャオ監督)が背中を押してくれたことを心から嬉しく思っています」
なお、他に観客賞を受賞した作品には『Black is Beautiful: The Kwame Brathwaite Story』がある。同作は写真家のクワミ・ブラスワイトの生涯を描いた一作で、ガブリエル・ユニオンやアリシア・キーズら豪華キャストが出演する。
また、映画祭の公式最優秀賞を受賞したのはルクレシア・マーテル監督の『Landmarks』だ。同作はアルゼンチンにおける植民地時代の負の遺産に焦点を当てたドキュメンタリーである。
今回のロンドン映画祭には79カ国から252作品が出展される大盛況をみせた。今後もイギリスが映画界において国際的な存在感を強めていくトレンドは続くのだろうか。
※本記事は要約・抄訳です。オリジナル記事(英語)はこちら。
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