マイルズ・テラー、『ファンタスティック・フォー』大失敗の“真犯人”を示唆 ──「たった1人が全部ぶち壊した」
2015年公開の映画『ファンタスティック・フォー』が興行的に大失敗してから10年が経つが、その痛手はいまも主演マイルズ・テラーの胸に残っている。ジョシュ・トランク監督によるリブート版として注目を集めた同作は、公開後に批評面でも興行面でも振るわず、現在では“迷作”として語り継がれる存在だ。
『トップガン マーヴェリック』で再び注目を浴びたマイルズ・テラーは、SiriusXMの番組「Radio Andy」でインタビューに応じ、同作の舞台裏について改めて言及。テラーはキャストやスタッフに対して深い敬意を示し、マイケル・B・ジョーダン、ジェイミー・ベル、ケイト・マーラといった共演陣は「本当にすばらしい俳優たちだった」と振り返った。しかしその一方で、作品を台無しにした“たった1人の重要人物”がいたと発言をしている。
テラーは「多くの人たちが懸命に働いたのに、たった1人の重要人物がすべてをぶち壊したのだと思う」と語り、名指しこそしていないものの、制作過程で重大な問題を引き起こした人物の存在をにじませた。さらに「完成版を初めて観たとき、スタジオ幹部に“これはまずいと思う”と伝えた」とも述べ、公開前から作品の出来に強い危機感を抱いていたことを明かしている。
当時、米『ハリウッド・リポーター』は撮影現場の混乱を詳細に報じており、テラーの発言を裏付けるような証言が複数存在している。トランク監督は公開前、キャストやスタッフに送ったメールで自作を「これまでのコミック映画の99%より優れている」と豪語したが、キャストの一人は「そうは思わない」と返信したという。現場では、監督がテントにこもって周囲と距離を置いていたとも伝えられている。監督自身も「観客は決して見ることのないすばらしいバージョンを作った」というツイートを投稿し、すぐに削除するなど、制作時の混乱ぶりがたびたび話題になった。
のちにトランク監督は米『Variety』の取材に対し、作品が失敗した責任は自身にもあると認めつつ、現場にいた全員が間違った方向へ進んでいたと述べている。経験豊富なスタッフが大勢いる中で、自分が未熟であると評されたことに反論し、むしろ過剰にコミュニケーションを取ろうとしていたと主張した。ただし、彼が提示したアイデアが周囲と噛み合わなかったことは事実だとした上で、それは特定の誰かの責任ではなく、創造性を発揮するには不幸な組み合わせだったと語っている。
一方、マーベルは2025年夏にペドロ・パスカルを起用した新作『ファンタスティック4:ファースト・ステップ』を公開し、まずまずの成功を収めた。10年前の失敗を乗り越えるための再出発となり、ブランド再構築に一定の成果を示す形となった。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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