李相日監督&吉沢亮『国宝』のアカデミー賞へのキャンペーンがスタート、LA・NYで舞台挨拶行脚

吉沢亮、李相日監督、NYタイムズスクエアにて
吉沢亮、李相日監督、NYタイムズスクエアにて
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映画『国宝』の李相日監督と主演の吉沢亮が2025年11月18~23日、米ロサンゼルスとニューヨークを訪れ、来年の全米公開、第98回アカデミー賞に向けたキャンペーン上映で舞台挨拶に登壇した。

同作は8月にアカデミー賞国際長編映画賞の日本代表作品に選ばれ、今月21日に米映画芸術科学アカデミーに86の国と地域の中から正式な候補作に認定された。両都市では既に、候補資格を満たすため一部劇場での先行公開がスタートしている。

吉沢亮と李相日監督、LAのハリウッド・サインともに
吉沢亮と李相日監督、LAのハリウッド・サインともに

2人は18日のロサンゼルスのアカデミー映画博物館での上映後、割れんばかりの拍手で迎えられた。任侠(にんきょう)の世界から歌舞伎界に引き取られ、人間国宝を目指す主人公・喜久雄を演じた吉沢は、「迎えてくださる時の拍手や話している時に皆さんがうなずきながら聞いてくださっていて、凄く深いところで見てくださっているということが伝わってきました」と喜びをかみしめた。

日本では興行収入171億円を突破し、実写邦画で歴代2位となる大ヒットとなっている。李監督は、日本の伝統芸能が題材で3時間近い長尺に懸念があったというが、「そういったものを超えて何か迫力を感じ取ってくれている」と実感。特に喜久雄(演:吉沢)が登壇したら、“本物が現れた”と空気がざわつく感じがありました」と手応えをつかんだ様子だ。

ニューヨークでは、先行上映中のアンジェリカ・フィルム・センターで舞台挨拶。吉沢は、歌舞伎俳優の役づくりについて問われ「喜久雄ほどの、ある種狂気じみた覚悟は自分にはありません。ただ歌舞伎役者も我々役者も、芝居をしている時にしか感じられない幸せの瞬間というのは非常に分かります。結局、芝居している時が一番生きている実感があり、そういう部分は理解できるなと思いながら演じていました」と説明した。

アンジェリカ・フィルム・センターで舞台挨拶を行った映画『国宝』の吉沢亮、李相日監督
アンジェリカ・フィルム・センターで舞台挨拶を行った映画『国宝』の吉沢亮と李相日監督

アカデミー賞は、2025年12月16日に15作品のショートリスト、および2026年1月22日にノミネートを発表する。李監督は、「アカデミー賞の日本代表作品という興奮と責任を感じています」と真摯に回答。吉沢も、「こうして僕らの映画が届けられることを非常にうれしく思っています。アメリカでも、世界中で共感してもらえることではないかと思います。世界の皆さまに見ていただける機会が増えればいいなと思っています」と期待を寄せた。

授賞式は3月15日に予定されている。『ドライブ・マイ・カー』以来4年ぶりの快挙となるか注目だ。

記事:The Hollywood Reporter Japan 特派員 鈴木元

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