スカーレット・ヨハンソン、ウディ・アレン擁護の真意を語る「また一緒に仕事をしたい」|監督作『エレノア・ザ・グレート』配給降板騒動も
映画監督・俳優のウディ・アレンの養子であるディラン・ファローは、幼少期にアレンから性的虐待を受けたと1992年に訴えた。アレンは事実を否定しており、後にニューヨーク州社会福祉局も調査を行い、ファローの訴えを退けた。しかし、この件や「#MeToo運動」の盛り上がりを受け、アレンはハリウッドから干されている。
これに対し、『マッチポイント』(2005年)、『タロットカード殺人事件』(2006年)、『それでも恋するバルセロナ』(2008年)と3本のアレン監督作品に出演したスカーレット・ヨハンソンは、アレンへの支持を続けている。

ヨハンソンは最近の英「テレグラフ」紙のインタビューで、アレンの一連の騒動について語った。
ウディ・アレンへのハリウッドの反応はさまざま
ヨハンソンは2019年の米『ハリウッド・リポーター』のインタビューで以下のように語っていた。「私はできる限りウディに会っていますし、この件について多くの会話を交わしました。私は彼に対して率直に接し、彼も私に対してとても率直でした。彼は無実を主張しており、私はそれを信じています。また一緒に仕事をしたいと思っています」
「テレグラフ」紙の記者はこの2019年の発言を引用し、アレンを擁護したことや、ネット上で巻き起こった議論、そしてその結果をヨハンソンに訊ねた。
ヨハンソンは次のように答えている。「それは判断が難しいです。1つの件がドミノのようにどんな影響を与えるのか、誰にも分かりません。しかし、私の母は『自分らしくいること、誠実であること、そして自分の信念を貫くことが大切だ』といつも教えてくれました」
さらにヨハンソンは、「同時に、自分の出る幕ではないタイミングを知ることも大切だと思います。これは『沈黙しろ』という意味ではありません。成長するにつれて、この考え方をさらに理解できるようになりました」と語っている。
ヨハンソンの代理人は、彼女の発言についてのコメントを要請されたが、すぐには応じなかった。
故ダイアン・キートンも元恋人であるアレンを擁護していた。10月にキートンの訃報が流れると、アレンは深い悲しみに満ちた追悼文を発表した。
一方で、マイケル・ケイン、ティモシー・シャラメ、グレタ・ガーウィグなど、過去にアレン監督作品に出演した俳優の中には、アレン批判を表明している者も多い。近年でもアレンは映画制作を続けているが、スキャンダルの影響から配給元の獲得に苦戦を強いられている。

監督作『エレノア・ザ・グレート』と配給降板騒動
ヨハンソンは、監督デビュー作である『エレノア・ザ・グレート(原題:Eleanor the Great)』についても「テレグラフ」紙で語った。作中でジューン・スキッブ演じるユダヤ人女性は、ふとしたきっかけから「ホロコースト生存者である」と嘘をついてしまう。しかし、この設定の影響で、映画の出資者が降りてしまったという。

同紙の記者はヨハンソンに対し、「すばらしい映画ですが、ホロコーストの描写には少し違和感があります。主人公が別の嘘をつくストーリーにはできなかったのですか?」という出資者のメッセージを伝えた。
ヨハンソンによれば、この「嘘」こそがストーリーの核を成していたため、他に選択肢はなかった。出資者の降板については「何ヶ月も映画について話し合ってきたのに、なぜこんな結果になってしまったのでしょうか?本当にショックで、失望しました」と語った。
なお、その後ソニー・ピクチャーズ・クラシックスが本作の配給を担うことになった。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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