『ウィキッド 永遠の約束』アリアナ・グランデ&シンシア・エリヴォ、特別イベントで“伝説のメドレー”をサプライズ歌唱! ミュージカル映画への挑戦と舞台裏も明らかに[動画あり]
ミュージカル映画『ウィキッド 永遠の約束』で主演を務めるアリアナ・グランデとシンシア・エリヴォが、ハリウッドで開催された特別イベントで往年の名曲「ゲット・ハッピー/ハッピー・デイズ・アー・ヒア・アゲイン(”Get Happy/Happy Days Are Here Again”)」のメドレーを披露し、喝采を浴びた。
このパフォーマンスは、ミュージカルの巨匠バズ・ラーマン監督と、女優・映画プロデューサーのコリーン・キャンプが共同開催した祝賀イベントで実現した。会場にはジョン・M・チュウ監督やシャーリーズ・セロン、ユニバーサル・ピクチャーズ会長のドナ・ラングレー、『ウィキッド』プロデューサーのマーク・プラットらが集結した。
異例の熱気に包まれた今回のイベントは、ユニバーサル・ピクチャーズが『ウィキッド 永遠の約束』の公開を祝うために企画されたという。
伝説的デュオの名曲を熱唱
グランデとエリヴォは来場者と和やかに交流した後、メイン会場となるラウンジへと移動。「もしかしたら2人が歌うのでは」と噂されていたこともあり、いざサプライズで2人がステージに登場すると、会場は大きな歓声と興奮に包まれた。
2人は期待に見事に応え、映画『ウィキッド 永遠の約束』主題歌の「フォー・グッド(for good)」に加え、かつてジュディ・ガーランドとバーブラ・ストライサンドという伝説的なデュオが歌った「ゲット・ハッピー/ハッピー・デイズ・アー・ヒア・アゲイン」のメドレーを熱唱。ガーランドは名作『オズの魔法使』(1939年)でドロシー役を演じ、黄色いレンガの道を歩いたミュージカル史に残る存在である。
バズ・ラーマン監督が語るミュージカル映画制作の困難と魅力
また、アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォのパフォーマンスの直前には、チュウ監督とラーマン監督が観客に紹介された。主催者のコリーン・キャンプに「天才」と紹介されたラーマン監督は、「(この作品のためなら)東京から飛んで来ることも苦じゃないよ」とジョークを交えて会場を和ませたラーマン監督は、続いて実写ミュージカル映画制作のむずかしさについて語り始めた。
「実写ミュージカルを作るのは非常にむずかしい。この規模で、これほどの文化的影響力を持つ作品を生み出すのだから。古典的でありながらポップで今の瞬間をとらえ、子どもから大人まで幅広い観客を魅了する。それこそがミュージカルのすばらしい点だ」
さらにラーマン監督は、20年以上前にサンフランシスコでオペラ『ラ・ボエーム』の公演準備をしていた頃の逸話を語った。ミュージカル『ウィキッド』が上演されたものの、初演当時の反応について「必ずしも好評とは言えなかった」と振り返った。
しかし「ある若者が観に行ったと聞いた。ジョンという男だ。彼がもっと大声で応援しなかったのが悪いんだ」とチュウ監督の話題をあげて笑いを誘った。
そしてラーマン監督は、優れたミュージカル映画を作るむずかしさを改めて以下のように説明した。
「誰もが『きっとすごく楽しかったんだろうね。めちゃくちゃ楽しかったに違いない』と言う。だが彼らが気づいていないのは、創作にどれほどの労力と作業が費やされるかだ。もし成功すれば、今この世界のどこかで誰かが『サウンド・オブ・ミュージック』の「丘は生きている」を歌っている。しかし失敗すれば、何もない。今は、ミュージカルは成功しないという考えが根付いてしまっている」

ジョン・M・チュウ監督「今こそ作るべきだと確信した」
チュウ監督も実写ミュージカル映画『ウィキッド』の製作が大変だったと認めた。さらに映画の制作中には、3人の子どもが生まれたという個人的なエピソードも話した。
「願い続け、夢を追い求め、たとえ疲れても映画を作れることはすばらしい。ただの映画じゃなくて、ミュージカル映画を作れる。ミュージカルは人の魂に触れられる手段。レンズだけでなく音符だ。音符だけでなくスティーブン・シュワルツの歌詞だ。すべての動きに魂がこもっている」
そして全工程を振り返り、本作の名台詞を引用ながら以下のように語っている。
「夢を見ずにはいられなくなる。自分ができると思っていた以上の大きな夢を追いかけざるを得なくなるんだ。長い時間を一緒に働いてきた仲間たちがいて、ときには自分以上に自分を信じてくれる日もある。お互いに『さあ、これを築き上げよう』と励まし合いながら前に進む。それこそがエネルギーになる。不思議と疲れさせないんだ」
「作らない言い訳は山ほどあった」チュウ監督が語る葛藤
さらにチュウ監督は、コロナ禍のロックダウン中にオファーを受けた当時を振り返った。
「コロナ禍でウエストハリウッドを車で走っている時、ふと『一体何が起きているんだ?』『我々人間とは何者なのか?』と思った。そんな時、この映画のオファーが舞い込んできた。最初は、この規模の作品を手がけるのは大きすぎるのではないかと思った。だが、『何かが私の中で変わった、以前とは違う(”something has changed within me, something’s not the same”)』という歌詞を新たな視点で読み直した。そしてシンシア・エリヴォのような人物があの言葉を歌う姿を想像した。そこで今こそ作るべきだと確信した。作らない言い訳は山ほどあったが、今こそ作る時だと」
困難な道のりを経て、ようやく完成へとたどり着いた映画『ウィキッド』2部作。アリアナ・グランデとシンシア・エリヴォの歌声、そしてチュウ監督の情熱が、ミュージカル映画の歴史を塗り替えることになりそうだ。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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