『ワン・バトル・アフター・アナザー』が作品賞を含む5冠達成!NBR賞2025の主要受賞結果発表
全米映画批評委員会(NBR)が2025年の受賞結果を発表し、『ワン・バトル・アフター・アナザー』が作品賞を含む5部門を制する快挙を達成した。

スリラー作品でメガホンを取ったポール・トーマス・アンダーソンは監督賞を受賞し、同作に出演したレオナルド・ディカプリオ、ベニチオ・デル・トロ、そしてチェイス・インフィニティは、それぞれ主演男優賞、助演男優賞、ブレイクスルー・パフォーマンス賞に輝いた。

NBRのアニー・シュルホフ会長は現地時間12月2日(火)の受賞発表に際し、「ポール・トーマス・アンダーソンは、現代映画界を照らす存在である」とコメント。「彼は、大胆でユーモラス、そしてスリリングな作品を生み出したが、それは同時に、私たちが生きる世界を鋭く描き出す重要な一本であり、なおかつ父娘の絆を、想像を超える出来事の中で繊細に紡ぎ出した物語でもある。NBRとして、この卓越した映画を称えられることを誇りに思う」と述べたのである。

NBR賞の受賞は、ワーナー・ブラザースが手がけた本作にとって、ここ最近の大きな栄誉の最新例である。作品は現地時間12月1日(月)のゴッサム・アワードで作品賞を受賞し、さらに現地時間12月2日(火)にはニューヨーク映画批評家協会から2025年の最優秀作品にも選出されている。

主演女優賞には、NY映画批評家協会に続いて、映画『If I Had Legs I’d Kick You(原題)』に出演したローズ・バーンが選ばれた。彼女は数時間前にインディペンデント・スピリット賞へのノミネーションも受けており、その勢いを証明した形だ。

助演女優賞は『センチメンタル・バリュー』のインガ・イブスドッテル・リッレオースが獲得。脚本賞は、オリジナル脚本が『罪人たち』のライアン・クーグラー、脚色脚本が『トレイン・ドリームズ』のクリント・ベントリー&グレッグ・クウェダーにそれぞれ贈られた。
『罪人たち』はオータム・デュラルド・アーカポーが担当した撮影も評価され、撮影賞にも輝いた。
なお、昨年のNBR作品賞は『ウィキッド』であった。今年公開された続編『ウィキッド 永遠の約束』は受賞こそ逃したものの、年間トップ映画の一本としてリスト入りしている。

今年のNBR賞は、映画ファンや映画制作者、研究者、若手プロフェッショナルらで構成される審査団によって選出され、対象となった作品は全265本に及んだ。
2025年の受賞者は、2025年1月13日(現地時間)にニューヨークのチプリアーニ42ndストリートで開催されるガライベントで、ウィリー・ガイストをホストに迎えて表彰される予定である。
受賞結果一覧
作品賞: 『ワン・バトル・アフター・アナザー』
監督賞: ポール・トーマス・アンダーソン『ワン・バトル・アフター・アナザー』
主演男優賞: レオナルド・ディカプリオ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
主演女優賞: ローズ・バーン『If I Had Legs I’d Kick You(原題)』
助演男優賞: ベニチオ・デル・トロ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
助演女優賞: インガ・イブスドッテル・リッレオース『センチメンタル・バリュー』
監督デビュー賞: エヴァ・ヴィクター『Sorry, Baby(原題)』
ブレイクスルー・パフォーマンス賞: チェイス・インフィニティ『ワン・バトル・アフター・アナザー』
オリジナル脚本賞: ライアン・クーグラー『罪人たち』
脚色脚本賞: クリント・ベントレー&グレッグ・クウェダー『トレイン・ドリームズ』
長編アニメーション賞:『Arco(原題)』
国際映画賞:『Un simple accident(英題:It Was Just an Accident)』
ドキュメンタリー賞: 『シーモア・ハーシュ:権力の闇に挑む男』
撮影部門特別功労賞: オータム・デュラルド・アーカポー『罪人たち』
スタントアート特別功労賞: 『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』
NBR表現の自由賞: 『⼿に魂を込め、歩いてみれば』
トップフィルム(アルファベット順)
- 『アバター:ファイヤー・アンド・アッシュ』
- 『F1/エフワン』
- 『フランケンシュタイン』
- 『ジェイ・ケリー』
- 『マーティ・シュプリーム』
- 『レンタル・ファミリー』
- 『罪人たち』
- 『トレイン・ドリームズ』
- 『ナイブズ・アウト:ウェイク・アップ・デッドマン』
- 『ウィキッド 永遠の約束』
トップ5 インターナショナル映画(アルファベット順)
- 『Left-Handed Girl(英題)』
- 『The Love That Remains(英題)』
- 『The Secret Agent(英題)』
- 『センチメンタル・バリュー』
- 『Sirāt(原題)』
トップ5 ドキュメンタリー(アルファベット順)
- 『2000 Meters to Andriivka(英題)』
- 『あかるい光の中で』
- 『My Mom Jayne(原題)』
- 『Natchez(原題)』
- 『Orwell: 2+2=5(原題)』
トップ10 インディペンデント映画(アルファベット順)
- 『The Baltimorons(原題)』
- 『Bring Her Back(原題)』
- 『Father Mother Sister Brother(原題)』
- 『フレンドシップ』
- 『Good Boy(原題)』
- 『If I Had Legs I’d Kick You(原題)』
- 『The Mastermind(原題)』
- 『Rebuilding(原題)』
- 『Sorry, Baby(原題)』
- 『Urchin(原題)』
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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