ジェーン・フォンダ、Netflixのワーナー買収を痛烈批判──「表現の自由を脅かす憲法上の危機」
現地時間12月5日(金)、2度のオスカーを受賞した俳優・活動家のジェーン・フォンダが、Netflixによるワーナー・ブラザースの買収を批判した。このインスタグラムの投稿は、表現の自由を守るために活動する「アメリカ合衆国憲法修正第1条委員会」とフォンダの共同声明である。
声明では、この買収のニュースを「エンターテインメント業界全体と、同業界が奉仕する民主社会の市民、そしてアメリカ合衆国憲法修正第1条を脅かす、憂慮すべき統合の拡大」と説明している。
表現の自由を訴えるフォンダ――「これは憲法上の危機」
声明は「誤解してはいけません。これは私たちのクリエイティブ産業を破壊しかねない、壊滅的な取引というだけではありません。政権による法の軽視によって悪化した、憲法上の危機なのです」と続く。
さらにフォンダと同委員会は、アメリカ合衆国司法省に向けて、「コンテンツの決定に影響を与えたり、言論の自由を抑圧したりといった政治的譲歩を引き出すために、権力を行使すること」を控えるよう求めた。
この声明では、Netflixをはじめとする「破壊的な取引」に関与する可能性があるとして、他の企業にも言及した。「表現の自由の上に成り立つ業界の守護者として、あなたたちには我々の権利を守る責任があります。自分の懐を潤すために、権利を手放してはなりません。譲歩を求めて大きな圧力がかかることは分かっていますが、強い姿勢を保つことが極めて重要です」
Netflix側はメリットを説明、劇場公開も継続予定
Netflixがワーナー・ブラザースを買収したことで、ワーナー・ブラザースが権利を保有する映画やテレビドラマ、HBOおよびHBO Maxの支配権を獲得する。しかし、この買収に関して「反トラスト法(独占禁止法)に違反する」という懸念も浮上している。
Netflixが現地時間12月5日(金)に発表したプレスリリースで、テッド・サランドス共同CEOは以下のようにコメントしている。
「ワーナー・ブラザースは『カサブランカ』(1942年)や『市民ケーン』(1941年)のような不朽の名作から、『ハリー・ポッター』シリーズ(2001年~)やドラマ『フレンズ』シリーズ(1994~2004年)まで、すばらしい作品ライブラリーを保有しています。これらと『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シリーズ(2016年~)、『KPOPガールズ! デーモン・ハンターズ』(2025年)、『イカゲーム』シリーズ(2021~2025年)などNetflixを象徴する作品を組み合わせることで、さらに良いコンテンツを提供できるようになります。我々は、ともに観客が愛するものをさらに提供し、次世紀の物語を定義することに繋がるでしょう」

このプレスリリースによれば、Netflixは今後もワーナー・ブラザースによる映画の劇場公開を続ける予定だという。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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