セイディー・シンクが語る『ストレンジャー・シングス』最終章――マックス役との別れ、そして新作スパイダーマン出演へ【ネタバレ注意】
セイディー・シンク、マックス役との別れを胸に――その歩みは次のステージへ

『ストレンジャー・シングス 未知の世界』で演じてきたマックス役に、いよいよ別れを告げる準備を進めるセイディー・シンク。しかし視聴者が心配する必要はない。彼女の活躍は、これからも続いていくからだ。
23歳となったシンクは、14歳だったシーズン2から本作に参加した。年月を重ねるごとに「演じることへの情熱」はいっそう強まり、キャラクターの成長と歩調を合わせるように、彼女自身も大きく成熟してきた。その歩みの集大成となる最終シーズンは、現在配信が進むなかで、別れの感情をより濃く呼び起こしている。

「最終話が実際にNetflixで配信されたとき、きっともう一度、大きな感情の波が押し寄せてくると思います。とはいえ、いまのところは最終日のあの日に泣き尽くしたおかげで、きちんと別れを悲しみ切れた感覚があります。感情はすべて出し切ったと思っています。でも……まだ何かが残っている気もしていて、それがまたやって来るんじゃないかと少し怖いです」と、彼女は米『ハリウッド・リポーター』に語る。
大画面へと続く次章、そして最終章の余韻

『ストレンジャー・シングス』の最終話が米国では大晦日(日本時間の2026年1月1日(木)10時)に配信された後、シンクは再びスクリーンへと戻る。2026年7月31日に全米公開予定の『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』で、トム・ホランドと共演するのだ。
以下のインタビューでシンクは、マックスがついに目を覚ます感情的で、長年待ち望まれてきたシーズン5のシーンについて明かすとともに、新たな共演者であるネル・フィッシャー(ホリー役)との仕事、そして作品とキャラクターへの別れについて語っている。さらに、『ストレンジャー・シングス』のシリーズ最終章の内容にも触れつつ、『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』への参加経験にも触れている。
※以下、一部シーズン5のネタバレを含みます。
――ダファー兄弟は以前、米『ハリウッド・リポーター』に対し、シーズン4終了後にあなたへ「シーズン5に参加することになる」と伝えたものの、詳細は明かさなかったと語っています。その話し合いは、具体的にどのタイミングで行われましたか。また、マックスが目を覚まさないのではないかと不安に思ったことはありましたか。

正直、何が起きるのかまったく予想がつきませんでした。物語の大枠が用意されていることは知っていましたが、具体的な内容はほとんど知らされていませんでした。撮影開始の約1年前、シーズン5に向けてホリー役のネル・フィッシャーとの台本の読み合わせに呼ばれました。そのとき私は「ホリーってだれ?あの小さな子?」という感じでした。実際に一緒にシーンを演じて、ようやくマックスが洞窟で何をしていたのかを把握できました。だからこそ驚きも大きかったのですが、今シーズンの彼女の物語は本当に気に入っています。予想外でありながら、筋が通っていて、現実世界で仲間たちと行動を共にしなくても、物語を前に進める存在として成立していました。その見せ方がとても巧みだと思いました。
――シーズン5を通して、マックスに関する秘密を守るのはどんな気分でしたか。だれかに話すことはできましたか。
家族にはかなり話していますし、共演者同士でも共有しています。だから極端に秘密を抱えている感覚はないですし、むしろもう慣れてしまいました。ただ、すべてが世に出て、『ストレンジャー・シングス』について何も隠さなくてよくなる日が来るのはうれしいです。
――第7話でマックスが病院で目を覚ますことを共演者たちはいつ知りましたか。

テーブルリードをやったかどうかは覚えていません。ただ、彼女がいつか目を覚ますこと自体は全員わかっていました。問題は「どうやって」「いつ」でした。そのシーンは、10年間一緒にやってきた仲間たちと久々に芝居ができたという意味でも、撮影していて特に好きな場面のひとつでした。混沌の中にある、ささやかで人間的な瞬間で、この作品が持つ温かさを思い出させてくれました。マックスとルーカスの絆、そして再会は本当に特別で、見ていて胸を打たれました。
――その目覚めのシーンは1~2テイクで撮り終えたと聞きましたが、その瞬間の感情はいかがでしたか。

あの日は、あらゆる感情がその場で生き生きとあふれ出しているのを感じられて、本当に圧倒されました。先にクローズアップを撮ったケイレブ(ルーカス役)が本当にすばらしくて、見ているだけで胸がいっぱいになりました。その直後にこちらの撮影に移りましたが、私は「このままだと号泣する」と思ったほどでした。感情が連鎖していくような感覚でした。あの瞬間は一生忘れないと思いました。マックスにとっての解放でもあり、「ああ、これが最終シーズンなんだ」と初めて実感した瞬間でもありました。マックスとルーカスが再び並ぶことで、この作品と彼女の旅路すべてがよみがえりました。
――第7話のラストには、ウィルが仲間たちにカミングアウトする重要な場面がありました。撮影現場の空気はいかがでしたか。
本当に感情的でしたし、ノア(ウィル役)を誇りに思いました。彼がこのシーンのためにどれだけ準備していたかを知っているからこそ、なおさらでした。撮影期間の序盤に脚本を読んでいましたが、実際に撮影したのは終盤で、長い緊張の積み重ねがありました。ノアは見事に応え、真摯で美しい演技を見せてくれました。その場で支え合うキャストの一体感も含め、とても優しい時間でした。ファンの心にも深く残ると思います。
――完全には身体能力を取り戻していないマックスは、最終章でどんな役割を担いますか。
第7話で組み立てられる最終計画において、彼女の存在は欠かせません。回復途中で傷を抱えたまま仲間のもとに戻る姿はほろ苦いものの、最終決戦に向けて、彼女は再び力を発揮することになります。
――ホリー役のネル・フィッシャーとは多くのシーンを共にしましたが、彼女に伝えたことはありますか。

第6話終盤のモノローグで語られる「内なる強さ」こそが、マックスからホリーへの最大のメッセージだと思います。ネル本人について言えば、とても聡明で自立した子です。巨大な作品にかかわることで人生が変わることも含め、できる限りの助言はしました。私たちが子どもだった頃、同じ経験をした先輩はいなかったからこそ、少しでも支えになれたならうれしいです。
――マックスの結末を初めて読んだときの感想はいかがでしたか。

予想していた通りではありましたが、読むのと演じるのとではまったく違いました。最終日の撮影は言葉にできないほど特別でした。喜びと悲しみ、感謝が一気に押し寄せてくる、二度とない体験でした。
――いま、作品とキャラクターに別れを告げる心境はいかがですか。
いまはファンと分かち合う時間だと思っています。本当の別れは、配信が始まったときにもう一度訪れるはずです。
――最近、ケイト・ブッシュと連絡は取りましたか。最終シーズンのVol.2でも、彼女の存在が大きな意味を持つことは伝えましたか。
いいえ、まだ話していません。実はずっと会ってみたいと思っているのですが、直接会ったことは一度もありません。もし会えたら、間違いなく舞い上がってしまうと思います。だから、もう一度こちらから連絡を取らなければと思っています。いまの私にとって、彼女はまさにヒーローのような存在です。
私たちは、ある意味で長い旅を一緒にしてきました。何年もの間、私はケイト・ブッシュの音楽を耳にしながらマックスを演じてきたのです。
――『ストレンジャー・シングス』の先には、新作映画『スパイダーマン:ブランド・ニュー・デイ』への出演も控えています。巨大なフランチャイズであるマーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)、そしてスパイダーマン作品に参加すると知ったとき、率直な気持ちはいかがでしたか。

もう、本当にクレイジーでした。知ったのは『ストレンジャー・シングス』シーズン5の撮影を終えようとしている頃でした。スパイダーマンはずっと私のお気に入りで、大好きでした。特にトム・ホランド版のスパイダーマンが大好きでした。
何かのファンだった立場から、その世界の一員になるという感覚は、実は私にとって馴染みがあります。というのも、『ストレンジャー・シングス』に参加する前から、私はあの作品のファンだったからです。だから今回も、彼らが用意してくれているものに対して、純粋にワクワクしていました。

さらに、この作品の監督であるダスティン・ダニエル・クレットンとは、私が14歳の頃に出演した初期の映画で一緒に仕事をしていました。そういう意味でも、すべてが一周して戻ってきたような、不思議な縁を感じました。撮影は本当にすばらしい経験でしたし、もっと多くを語れる日が来るのが待ちきれません。話したいことが山ほどあります。
だからこそ、『ストレンジャー・シングス』の秘密を守るのが意外と楽に感じられるのかもしれません。いまの私は、それ以上に厳重な“スパイダーマンの秘密”をたくさん抱えているのですから。
――今後についてお聞きします。挑戦したい役柄やジャンルはありますか。

特定のジャンルには縛られていません。自分をこれまでにない形で押し広げてくれるかどうか、それが一番大切です。いずれは軽いコメディをやりたいと思うかもしれませんが、いまはどうしても、重く挑戦的な作品に惹かれてしまいます。
――長年同じシリーズに出演した経験は、今後の選択に影響しますか。
バランスを大切にしたいと思っています。長期的な大作と、演劇のような小規模で学びの多い仕事。その両方を行き来できる形が理想です。
――休みの日には何をしていますか。
正直、とても地味です。家にこもって何もしないこと。それが一番の贅沢だと思っています。
――最後に、セイディー・シンクらしさとは何でしょうか。
ずっとセイディーであり続けてきました。それはいまも昔も変わりません。変わらないこと――それ自体が私らしさなのだと思います。
※現在、『ストレンジャー・シングス 未知の世界』シーズン5のVol.1(第1~4話)とVol.2(第5~7話)は独占配信中で、フィナーレとなる第8話は2026年1月1日より世界同時独占配信される。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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