トランプ大統領も出席、映画『メラニア』異例のプレミア開催 ―― 監督は高額契約を否定「汚職ではない」
ドキュメンタリー映画『メラニア』のプレミア上映会が現地時間1月29日(木)、米ワシントンD.C.のケネディ・センターで開催された。Amazon MGMスタジオが製作した本作は、ドナルド・トランプ大統領の2度目の就任式直前の数日間に密着し、ファーストレディであるメラニア・トランプ夫人の姿を描いた作品だ。
上映会にはトランプ大統領本人をはじめ、閣僚や政権関係者が多数出席。作品への支持を公の場で表明する異例の場となった。一方で、総額7,500万ドル(約115億円)とも報じられる契約金をめぐり、監督のブレット・ラトナーには厳しい質問が集中した。
▼「前例のない」スケールで行われた『メラニア』プレミア上映

2025年の大統領就任式を目前に控えたメラニア夫人を追った『メラニア』は、ガラ上映の場でも「人道的」「知的」「慈愛に満ちている」といった賛辞が相次いだ。招待客の一人は、本作を象徴する言葉として「前例のない」という表現を挙げている。
その理由は明白だ。報道によれば、『メラニア』には、作品の買い取り額約4,000万ドル(約61億円)・宣伝費約3,500万ドル(約53億円)と、ドキュメンタリー映画としては異例の規模の資金が投じられている。
実際、プレミア会場の窓や壁、階段には『メラニア』のロゴや名前が配置され、招待状には「トランプ・ケネディ・センター」という表記まで確認されたという。
▼トランプ大統領、34分間の囲み取材に応じる
最大の注目を集めたのは、トランプ大統領とメラニア夫人が、メインストリームから右派メディアまで含む取材陣に34分間応じたことだ。大統領は冒頭、記者団に向かって「今夜の主役はファーストレディです」と語った。
【動画】映画『メラニア』ワールドプレミアに登場したトランプ大統領&メラニア夫人
THE PREMIERE OF "MELANIA" AT THE TRUMP-KENNEDY CENTER 🤩🍿pic.twitter.com/MEy6VLmcZW
— The White House (@WhiteHouse) January 30, 2026
また、メラニア夫人が自身に与える影響について問われると、「彼女は私が最も頼りにしている存在です。彼女の影響力は非常に大きい」と、その存在感を強調した。
▼メラニア夫人「若い女性たちに希望を届けたい」

映画が観客に与える影響について、メラニア夫人は特に女性へのメッセージ性を強調した。「誰もがどこかで共鳴できるはずです。ティーンエイジャーや若い女性たちにも見てもらいたい。家庭と仕事は両立できる、そう感じてもらえたら」
『メラニア』は単なる政治ドキュメンタリーにとどまらず、ファーストレディという立場で生きる一人の女性像を前面に押し出している点も特徴だ。
▼高額契約をめぐる疑念と監督の反論

注目が集まったのは、Amazonとメラニア夫人の制作会社「ミューズ・フィルムズ」との間で結ばれた契約内容だ。トランプ大統領は「自分は関与していない」と明言し、夫人も「複数の配給会社の中で、世界公開に同意したAmazonが最適だった」と説明している。
しかし、#MeToo運動以降、初の長編プロジェクトとなる監督ブレット・ラトナーには、「企業汚職ではないか」という厳しい質問が投げかけられた。これに対し、ラトナー監督は「これは汚職などではありません。この作品は、ドキュメンタリー史上でも屈指の制作費がかかった映画です。金儲けのためではない。世界最高のスタッフと作曲家を起用するための予算なのです」と強い口調で否定した。
▼物議を醸しながらも公開へ

ICEによる抗議者発砲事件など、社会的緊張が高まる中でのプレミア開催には批判もある。しかし、トランプ大統領自身は「私のレガシーは非常に強固なものになる。史上最も安全な国、最強の軍隊、そして好景気だ」と語り、動じる様子を見せなかった。

政治、エンターテインメント、そしてプロパガンダとの境界線をめぐり、ドキュメンタリー映画『メラニア』は公開前から大きな議論を巻き起こしている。その評価は、劇場公開後、世界中の観客に委ねられることになりそうだ。
映画『メラニア』は現在、劇場公開中。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌

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