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【2026年グラミー賞】ビリー・アイリッシュ、ジャスティン・ビーバーもバッジで抗議――米音楽界で広がる「ICE OUT」運動

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【2026年グラミー賞】ビリー・アイリッシュらICEに抗議、ビリー・アイリッシュ、ジャスティン・ビーバーとヘイリ​​ー・ビーバー
ビリー・アイリッシュ、ジャスティン・ビーバーとヘイリ​​ー・ビーバー 写真:Neilson Barnard/Getty Images; Etienne Laurent/AFP/Getty Images
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日本時間2026年2月2日(月)に開催された第68回グラミー賞授賞式では、ビリー・アイリッシュジャスティン・ビーバーとヘイリー・ビーバー、フィニアス・オコネル、ケラーニ、エイミー・アレンなどのアーティストが「ICE OUT」と書かれたバッジを身につけて登場した。

このバッジは、ICE(米国移民・関税執行局)と国境警備隊による一連の事件に抗議を示すものだ。

ゴールデングローブ賞から始まった「ICE OUT」キャンペーン

現地時間1月7日(水)、米ミネアポリスでレニー・グッドさん(37)がICE職員に射殺された。現地時間1月24日(土)には、看護師のアレックス・プレッティさん(37)が同じくICE職員に射殺された。この2件の射殺事件は、音楽業界でも大きな議論を巻き起こしている。

「ICE OUT」のバッジは、アメリカ自由人権協会、Maremoto、全米家事労働者同盟、ワーキング・ファミリーズ・パワーが主導するキャンペーンの一部だ。

ワーキング・ファミリーズ・パワーの戦略ディレクターであるネリーニ・スタンプ氏は、俳優のマーク・ラファロなど、ICEへの抗議を表明した複数のハリウッド関係者と知り合いだったことから、「ICE OUT」と「BE GOOD」のバッジを考案した。

このバッジは現地時間1月11日(月)に開催されたゴールデングローブ賞授賞式で初登場し、ラファロやアリアナ・グランデ、ジーン・スマート、ナターシャ・リオン、ワンダ・サイクスが着用した。

プレッティさん射殺事件の後、現地時間1月24日(土)のサンダンス映画祭2026の記者会見では、オリヴィア・ワイルド、ナタリー・ポートマン、ゾーイ・ドゥイッチらがこのバッジを着けて登壇した。1月27日(火)に開催されたグラミー・ウィークのイベントでは、ミュージシャンのオリヴィア・ロドリゴやデイヴ・グロールがこのバッジを着用していた。

アーティストが次々と抗議を表明――2026年グラミー賞授賞式

ICEによる過度な移民の取り締まりが続く中、このキャンペーンはアメリカでさらに広がりを見せている。

スタンプ氏は当初よりグラミー賞にも注目していた。「アメリカでは長い間、抵抗や反対、抗議を示し、人々が経験した恐怖を表現する手段として、音楽が使用されてきました。ミュージシャンたちは、エンターテイメント業界の最前線でこの問題に立ち向かっています」と彼女は説明する。

そして先週、キャンペーンの主催者らは、ウエスト・ハリウッドの老舗クラブ「トルバドール」の店外で「ICE OUT」バッジを配布した。現地時間2月1日(日)には、ロサンゼルスのホテルでもバッジが配布された。

今年のグラミー賞で年間最優秀楽曲を受賞したアイリッシュは、取材に対し「今は感謝の気持ちでいっぱいですが、正直、何を言うべきか分かりません。しかし、盗まれた土地に不法滞在している人は誰もいないということは言えます。私たちの声、そして人々の存在は、本当に大切なものです」と答えた。

アイリッシュは「Fuck ICE」と付け加えたが、テレビ放送ではこの部分の音声は消されていた。

フィニアス・オコネルとビリー・アイリッシュ、2026年グラミー賞受賞スピーチ
フィニアス・オコネルとビリー・アイリッシュ=第68回グラミー賞授賞式にて 写真:CHRISTOPHER POLK/BILLBOARD VIA GETTY IMAGES

年間最優秀アルバム賞を受賞したバッド・バニーはバッジを着用しなかったものの、受賞スピーチで次のように語った。

「神に感謝する前に、『ICE OUT』と言わせてもらいます。私たちは野蛮人でも、動物でも、エイリアンでもありません。人間であり、アメリカ人です。憎しみは、増えれば増えるほどより強力になります。憎しみよりも強いものは愛だけです。だから、私たちは変わる必要があります。もし戦うなら、愛をもって戦わなければなりません。私たちは彼らを憎んでおらず、仲間と家族を愛しています。これが愛をもって戦う方法です。それを忘れないでください」

バッド・バニー
バッド・バニー=第68回グラミー賞授賞式にて 写真:Frazer Harrison/Getty Images

ケラーニはレッドカーペットで米『ハリウッド・リポーター』の取材に対し、「『Fuck ICE』と言いたかったです。私たちのような強い力を持つ人物が集まる場で、国に対して何の声明も出さないなんて、あり得ません」と述べた。

エイミー・アレンもケラーニに賛同した。「このバッジを着用することは重要な意味を持ちます。今夜は、明らかに世界中から注目が集まるからです。『この国にはあらゆる変化が必要』というメッセージを広める機会として、今日、このバッジを着ける必要があると思いました。私の他にも、多くの人がこのバッジを着用していることを願っています」

ICEを巡る事件と分断が音楽業界に波及

ICEおよびトランプ政権に対する音楽業界からの抗議活動は、さらに広がっている。トランプ大統領が移民政策に関するSNS上の投稿に楽曲を使用したことに対し、サブリナ・カーペンターやロドリゴといったアーティストは批判の声を上げている。

ブルース・スプリングスティーンは現地時間1月28日(水)、ICEへの抗議を込めた新曲「Streets of Minneapolis(ミネアポリスの街)」を初披露した。レディー・ガガは1月29日の東京ドーム公演を一時中断し、ICEの行動を批判した。

2026年グラミー賞でパフォーマンスを披露したレディー・ガガ
第68回グラミー賞でパフォーマンスを披露したレディー・ガガ 写真:FRAZER HARRISON/GETTY IMAGES

バッド・バニーは最新ツアーでアメリカ公演を予定していないことについて、「ICE職員が現れる可能性を懸念していた」とインタビューで発言した。これを受け、トランプ大統領はバッド・バニーに反発し、2026年スーパーボウルのハーフタイムショーのヘッドライナーにバッド・バニーを選出したNFLに苦言を呈した。

バッジを着用しても大した成果は得られないという意見もある。これに対してスタンプ氏は、「このバッジの目的は、『アメリカのコミュニティからICEを排除すべき』という要求を広めることです」と改めて主張した。

そして「グラミー賞でこのバッジが多くの人の目に触れ、『私も何かできる』と感じ、議会の代表者に電話を掛けたり、支援団体へ寄付したりといった行動を起こすきっかけになることを期待しています」と語った。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

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