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米ディズニー、新CEOにジョシュ・ダマロを選出 ― ジェームズ・ゴーマン会長が明かす、決定の舞台裏「出来レースではない」

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米ディズニー、新CEOにジョシュ・ダマロを選出 ―― ジェームズ・ゴーマン会長が明かす、決定の舞台裏「出来レースではない」
(左から)ジェームズ・ゴーマン、ジョシュ・ダマロ、ダナ・ウォルデン、ボブ・アイガー 写真:Disney
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世界が注目した米ウォルト・ディズニー・カンパニーの次期CEO選び――その舞台裏で何が起きていたのか。モルガン・スタンレー元CEOであり、現在ディズニー取締役会長を務めるジェームズ・ゴーマンが、約1年にわたる極秘の後継者選定プロセスを詳細に語った。

最終的にディズニーの新CEOに選ばれたのは、ディズニー・エクスペリエンス部門会長のジョシュ・ダマロ。その決断に至るまでの思考と覚悟に迫る。

▼ディズニーのCEO、100人以上の候補者から始まった後継者選び

ボブ・タイガーの声優を務めた、ディズニーCEOのボブ・アイガー
ボブ・アイガー現CEO 写真:ALBERTO E. RODRIGUEZ/GETTY IMAGES FOR DISNEY

ジェームズ・ゴーマン会長がディズニーの取締役に就任した際、最も重要な使命とされたのが、ボブ・アイガー現CEOの後継者育成だった。世界有数の金融機関を率いてきたゴーマンは、ディズニーの経営陣を「人材が溢れすぎているほどだ」と評しながらも、選定において一切の妥協はなかったという。

「取締役会にとって最も重要な仕事は、CEOを決定し、その交代を円滑に進めることです。ディズニーには優秀な幹部が数多くおり、正直に言えば、CEOになれる人物は一人ではありませんでした」

そして、数多くの有力候補の中から、最終的に後継者として選ばれたのがジョシュ・ダマロだった。

▼情報漏洩ゼロで進められた1年間の極秘プロセス

米オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド
米オーランドのウォルト・ディズニー・ワールド 写真:Getty Images

今回のCEO選定で際立っていたのは、徹底した透明性と同時に守られた秘匿性だ。ジェームズ・ゴーマン会長が議長を務めた後継者選定委員会には、ゼネラルモーターズのメアリー・バーラCEOや、ルルレモンのカルビン・マクドナルドCEOなど、世界的企業のトップが参加していた。

1年に及ぶ集中的なプロセスが進められたが、その間、外部への情報漏洩は一切なかったという。

「非常にオープンで透明性の高いプロセスでしたが、情報が外に漏れることはありませんでした。これは、取締役会の文化が健全であることの証だと思います」

▼取締役会が定義した「ディズニーCEOの条件」

実写版『リロ&スティッチ』Courtesy of Disney
2025年に大ヒットを記録した実写版『リロ&スティッチ』 写真:Courtesy of Disney

時価総額2,000億ドル規模とも言われる巨大ブランドを率いる次期CEOには、単なる経営手腕以上の資質が求められた。

ジェームズ・ゴーマン会長によれば、取締役会が重視したのは、ブランドへの深い理解とストーリーテリングへの愛情、複雑な事業を動かすオペレーション能力、グローバル環境での適応力と精神的な回復力、そして人々を前向きに鼓舞するエネルギーだった。

「完璧な人間はいません。重要なのは、就任時点よりも優れたリーダーへと成長し続けられるかどうかです。私たちは、人生やキャリアにおいて急速に成長している『変曲点』に立っている人物を探していました」

▼なぜディズニーCEOに決まったのがジョシュ・ダマロだったのか

ジョシュ・ダマロ
ディズニーの新CEO、ジョシュ・ダマロ 写真:Ricardo Moreira/Getty Images for Disney

CEO選定の決め手について、ジェームズ・ゴーマン会長は「一度のプレゼンや面接で決まるようなものではない」と明言している。むしろ、それは時間をかけて築かれる信頼関係の積み重ねだった。

「一緒に食事をし、歩きながら話し、コーヒーを買いながら冗談を言い合う。そうした日常の中で、この人ならうまくいくという感覚が少しずつ積み上がっていくのです。たった一つの出来事が決定打になったわけではありません」

華やかなプレゼンテーションや短期的な成果に惑わされることなく、日々のコミュニケーションを通じて見える人間性こそが、最終判断の軸となった。

▼選ばれなかった世界クラスの人材をどう活かすか

ダナ・ウォルデン、ジョシュ・ダマロ
ダナ・ウォルデン新CCO、ジョシュ・ダマロ新CEO 写真:Disney

CEO交代において常に課題となるのが、選ばれなかった有力候補の処遇だ。ディズニーは、その点でも慎重な判断を下した。対抗馬の一人とされていたダナ・ウォルデンを共同プレジデント兼チーフ・クリエイティブ・オフィサーに任命し、組織の結束を維持する体制を整えた。

「世界クラスの幹部がいるなら、会社のために彼らを引き留めたいと考えるのは当然です。彼らは互いに深い敬意を持ち合っており、ボブ・アイガー氏が築いたチームの結束力には心から敬意を表します」

▼ディズニーの未来を託す情熱と覚悟

『ズートピア2』 写真:Disney
日本でも大ヒットを記録している『ズートピア2』 写真:Disney

今回のCEO選定は、単なる経営トップの交代ではない。ディズニーというブランドが世界中の人々と築いてきた感情的なつながりを、次世代へと引き継ぐための重要なプロセスだった。

「私はディズニーを心から愛しています。誰もが心の中にディズニーの一部を持っているはずです。今回の選定は出来レースではありませんでした。すべての候補者が真剣勝負を繰り広げ、その中でジョシュが勝ち取ったのです」

新たなCEO体制のもと、ジョシュ・ダマロが巨大なエンターテインメント帝国をどのように次のステージへ導くのか。ディズニーの未来に、世界中の視線が注がれている。

※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。

編集/和田 萌

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