【訃報】ロバート・デュヴァル死去、95歳『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』名優の軌跡
『ゴッドファーザー』『地獄の黙示録』などで知られる名優ロバート・デュヴァルが、米バージニア州の自宅で死去した。95歳だった。妻ルシアナさんが声明で明かした。
声明によれば、デュヴァルは「愛と安らぎに包まれて」息を引き取ったという。アカデミー賞受賞俳優であり、監督、物語の語り手でもあった彼を、妻は「私にとってはすべてだった」と振り返った。
『ゴッドファーザー』から『テンダー・マーシー』まで
ロバート・デュヴァルは7度のアカデミー賞ノミネートを誇り、『テンダー・マーシー』(1983年)で主演男優賞を受賞。アルコール依存症のカントリー歌手マック・スレッジを抑制の効いた演技で体現し、その実力を決定づけた。
一方で映画史に刻まれる代表作も多い。
マフィア一家の顧問弁護士トム・ヘイゲンを演じた『ゴッドファーザー』(1972年)および『ゴッドファーザー PART II』(1974年)、戦争の狂気を描いた『地獄の黙示録』(1979年)では、サーフィンを愛するキルゴア中佐を怪演。「朝のナパームの匂いが好きだ」という台詞は映画史に残る名言となった。
テレビ史に残る西部劇『ロンサム・ダブ』
デュヴァル自身が「最も誇りに思う役」と語っていたのが、CBSミニシリーズ『ロンサム・ダブ』(1989年)の元テキサス・レンジャー、オーガスタス・マクレー役だ。
原作はラリー・マクマートリーのピュリツァー賞受賞小説。彼は「これは“西部劇版ゴッドファーザー”だ」と語り、その完成度に強い自信を示していた。
ロバート・デュヴァルと名匠たちとの邂逅
ロバート・デュヴァルのキャリアを語る上で欠かせないのが、フランシス・フォード・コッポラとの協働である。『ゴッドファーザー』シリーズや『地獄の黙示録』への起用は、彼の名声を不動のものにした。
また、『アラバマ物語』(1962年)では台詞のないブー・ラドリー役で鮮烈な印象を残し、若き日の才能を示した。
“結果ではなく過程を生きる”演技哲学
ハリウッドの華やかな社交界とは距離を置き、バージニア州で静かな生活を送っていたデュヴァル。
彼は2016年のインタビューでこう語っている。「結果を追い求めるのではなく、プロセスが結果へ導くと信じている。ゼロから始め、“何が起こるか見てみよう”と思うことが大切だ」
その姿勢こそが、ジャンルや規模を問わず、常に“本物”の人物像を描き続けた理由だった。
ロバート・デュヴァル、近年の出演作と功績
晩年も精力的に活動を続け、『ジャッジ 裁かれる判事』(2014年)では地方判事役で再びアカデミー賞にノミネート。さらに『ロスト・マネー 偽りの報酬』(2018年)などにも出演し、世代を超えて存在感を放った。
長年インディペンデント映画を支援し、サンダンス映画祭の初期から関わるなど、映画文化そのものにも大きく貢献した。
静かな眼差しと確かな技術で、半世紀以上にわたりスクリーンを支え続けたロバート・デュヴァル。
その演技は、派手さよりも“真実”を追求したものだった。映画史に刻まれた数々の名シーンは、これからも語り継がれていく。
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。
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