高橋一生、集大成の「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」は「人の心を動かす力がある」
俳優の高橋一生が27日、主演映画「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」の公開記念舞台挨拶を共演の飯豊まりえ、なにわ男子の長尾謙杜、美波、渡辺一貴監督とともに東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行った。
荒木飛呂彦氏の世界的な人気コミック「ジョジョの奇妙な冒険」のスピンオフとして誕生した「岸部露伴は動かない」が、2020年にNHKでドラマ化。映画は、2009年に荒木氏がフランスのルーヴル美術館のバンドデシネプロジェクトのために描き下ろした同名のフルカラーの読み切り作品が原作としている。
人間の記憶を本のようにして読むことのできる特殊能力を持つ漫画家の岸辺露伴が、「最も黒く邪悪な絵」と言われる絵画の謎に挑むミステリー。髙橋は、ルーヴル美術館などパリでのロケを振り返り「とても幸福なこと。映画に出てくる生物までお芝居をしてくれているようで、CGなしの繊細な動きは陰の立役者」と満足げに語った。バディとなる泉京香役の飯豊も、「2日間貸し切りで撮影したのですが、人のいないルーヴルは不思議な空間で貴重な体験でした」と笑顔をはじけさせた。
高橋は見終わったばかりの観客に感想を求め、大きな拍手が返ってくると「拍手を請うているようですいません」と照れ笑い。それでも、「とてもうれしく感激しています。胸を熱くしておりまして、皆さんも岸辺露伴を支えてくださる一員です」と感謝した。
ドラマから3年余りがたち、集大成と位置付ける作品。「この作品は当然、娯楽です。娯楽には人の心を動かす力があると思っています。現実的や写実的な作品も好きで必要ですが、少しずつ現実の世界がつらく、悲しい、寂しいものになっている時代になっている気がします。そんな時にこの作品が虚構、夢の力で現実の力を蓄えられるものになれば」と訴えた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴⽊ 元