アカデミー賞の歴代日本人受賞者をプレイバック!初受賞はあの巨匠
2024年のアカデミー賞授賞式が、3月10日(現地時間)にまもなく開催。
日本からは『君たちはどう生きるか』、『ゴジラ-1.0』、『PERFECT DAYS』の3作品がノミネート。
実は1929年にアカデミー賞が始まって以来、数多くの日本人受賞者がいたのをご存じでしたか?
今回は、世界に誇るアカデミー賞の歴代日本人受賞者を一挙にご紹介していきます。
黒澤明(1952年、1976年、1990年)
日本映画初のオスカー受賞は、1952年の第24回アカデミー賞で名誉賞(現在の国際長編映画賞)に輝いた黒澤明監督の『羅生門』。日本映画が世界から注目を集めるキッカケになりました。
1976年には、『デルス・ウザーラ』で2度目の名誉賞(現在の国際長編映画賞)を受賞。
長年の功績が称えられ、黒澤が80歳(1990年)のときに名誉賞を受賞します。プレゼンターは黒澤を師と仰ぐスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスが務めました。
3度のアカデミー賞受賞は日本人最多となります。
衣笠貞之助、和田三造(1955年)
1955年開催の第27回アカデミー賞で、衣笠貞之助監督の『地獄門』が名誉賞(現在の国際長編映画賞)を受賞。衣笠は女形俳優から映画監督に転身した経歴を持っています。
同作では和田三造が衣装デザイン賞を受賞し、2部門で受賞する快挙。
稲垣浩(1956年)
稲垣浩監督『宮本武蔵』が、第27回アカデミー賞(1956年)で名誉賞(現在の国際長編映画賞)を受賞しました。
吉川英二の小説を映画化し三船敏郎、三國連太郎、八千草薫らが出演。
1958年には、稲垣浩監督『無法松の一生』がベネチア国際映画祭で最高賞となる金獅子賞を受賞。
ナンシー梅木(1958年)
1929年に北海道で生まれたナンシー梅木は、1950年代にジャズボーカリストとして活躍。
1957年にはマーロン・ブランド主演『サヨナラ』でハリウッドデビューし、第30回アカデミー賞(1958年)では東洋人初となる助演女優賞を受賞します。
ワダ・エミ(1986年)
第58回アカデミー賞(1986年)では、黒澤明監督『乱』で衣装デザイン賞を獲得。
ワダ・エミは日本映画のみならず、メイベル・チャン監督『宗家の三姉妹』、チャン・イーモウ監督『HERO』などで衣装を担当し世界的に活躍しました。
坂本龍一(1988年)
『ラストエンペラー』の楽曲を担当し、1988年の第60回アカデミー賞で日本人初となる作曲賞を受賞。作曲のほか甘粕正彦役で俳優としても出演しています。
初めて映画楽曲を手掛けたのは『戦場のメリークリスマス』(1983年)。その後レオナルド・ディカプリオ主演『レヴェナント:蘇えりし者』(2015年)や是枝裕和監督『怪物』(2023年)などで作曲を担当。
石岡瑛子(1993年)
アートディレクター、デザイナーとして世界的に活躍した石岡瑛子は、1993年の第65回アカデミー賞でフランシス・フォード・コッポラ監督『ドラキュラ』で衣装デザイン賞を受賞。
石岡の遺作となった『白雪姫と鏡の女王』(2012年)では、第85回アカデミー賞で衣装デザイン賞にノミネートされました。
伊比恵子(1999年)
1999年開催の第71回アカデミー賞短編ドキュメンタリー賞を受賞したのは、伊比恵子監督『ザ・パーソナルズ~黄昏のロマンス~』。
ニューヨークのユダヤ人コミュニティセンターで演劇に打ち込む高齢者たちを追ったドキュメンタリー。
宮崎駿(2003年、2014年)
宮崎駿監督『千と千尋の神隠し』は、第75回アカデミー賞(2003年)で長編アニメーション映画賞を受賞。日本の長編映画がオスカーを獲得するのは、稲垣浩監督『宮本武蔵』(1956年)以来47年ぶり。
2014年には功績を残した世界の映画人に贈られる名誉賞を受賞。1990年に黒澤明監督が受賞して以来、24年ぶりの快挙となりました。
第96回アカデミー賞(2024年)では『君たちはどう生きるか』が長編アニメーション賞にノミネート。
3度目のオスカー獲得となるか世界から注目が集まっています。
加藤久仁生(2009年)
2009年の第81回アカデミー賞で、日本人初となる短編アニメーション賞を獲得したのは加藤久仁生監督『つみきのいえ』。
海面が上昇したため、家を「つみき」のように上へと建て増していくおじいさんと家族の物語です。
滝田洋二郎(2009年)
同年2009年、外国語映画賞(現在の国際長編映画賞)に輝いたのは滝田洋二郎監督『おくりびと』でした。
ロサンゼルスで開催された授賞式には滝田監督、主演の本木雅弘、広末涼子らも出席。
カズ・ヒロ(2018年、2020年)
2018年の第90回アカデミー賞では、カズ・ヒロ(辻一弘から改名)が『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』でメイクアップ&ヘアスタイリング賞を獲得。特殊メイクで、ゲイリー・オールドマンをウィンストン・チャーチルに大変身させました。
そのわずか2年後にも、シャーリーズ・セロンのメイクを担当し『スキャンダル』で2度目のアカデミー賞メイクアップ&ヘアスタイリング賞を受賞。
濱口竜介(2022年)
濱口竜介監督『ドライブ・マイ・カー』が第94回アカデミー賞(2022年)の国際長編映画賞を受賞。
長編映画では、2009年の滝田洋二郎監督『おくりびと』以来13年ぶりの快挙となりました。
原作は、村上春樹の短編小説「女のいない男たち」。西島秀俊、三浦透子、岡田将生らが出演しています。
まもなく迫る2024年アカデミー賞。候補入りしている日本映画3作品の行方が気になるところ。
第96回アカデミー賞授賞式は3月10日(現地時間)にロサンゼルスで開催されます。
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