『SHOGUN 将軍』がエミー賞を揺るがす?気になる受賞の行方
7月17日にノミネート発表を控えている米エミー賞。今年の作品賞(ドラマシリーズ部門)のノミネート作品には、50年ぶりのことが起こるだろう。というのも、同部門で過去にノミネート経験を有する作品は、Netflix『ザ・クラウン』のみになる可能性があるのだ。
常連作品が終了…有力候補の欠如
これまでエミーの常連だったHBO『メディア王 ~華麗なる一族~』や『ウエストワールド』、AMC『ベター・コール・ソウル』などの作品は終わりを迎えた。さらに、脚本家・俳優ストによる制作の遅延で、過去にノミネート経験を持つNetflix『ストレンジャー・シングス 未知の世界』、『イカゲーム』、そしてAmazon『ザ・ボーイズ』といったシリーズが今年の選考対象になる期間に間に合わなかった。
最終シーズンの出来は平凡だったにもかかわらず、『ザ・クラウン』のノミネーションが確実視されている唯一の理由は、今年はドラマシリーズ部門の作品賞候補になるような作品が非常に少ないからだ。
これまで落選していた作品にチャンス?
同部門で『ザ・クラウン』とともにノミネートされる作品は、①主要プラットフォームが配信し、平均的な評価を得ている作品(例:Apple TV+『ザ・モーニングショー』)、②高いクオリティを誇る一方で、これまで圧倒的な作品によってはじき出されていた作品(例:HBO/Max『TOKYO VICE』、Disney+『ロキ』)、③通常の年なら、候補入りする可能性が低いとみられる新作シリーズ(例:Amazon『フォールアウト』、Netflix『三体』)の3つのタイプに分けられるだろう。
しかし現実的には、これらの作品は、NBC『ザ・ホワイトハウス』やAMC『ブレイキング・バッド』などの過去の受賞作と並ぶほど優れてはいなかった。
『SHOGUN 将軍』の受賞は確実か
そこで、FXは今月16日、今年最も優れたシリーズの1つである『SHOGUN 将軍』をリミテッドシリーズからドラマシリーズへと拡大することを発表。シーズン2&3の制作と、吉井虎永役の真田広之のカムバックが決定した。
FXで最も視聴されたシリーズとなった『SHOGUN 将軍』の人気ぶりを考えると、本作が同プラットフォームに史上初の受賞をもたらすのは確実と言っていいだろう。『SHOGUN 将軍』が抜けた今、Netflix『リプリー』やFX『FARGO/ファーゴ』などの他のリミテッドシリーズの支持者は、安堵のため息を漏らしているはずだ。
※初出は、米『ハリウッド・リポーター』(5月22日号)。本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。翻訳/和田 萌
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