黒沢清監督『Cloud クラウド』日本初上映、主演の菅田将暉「真面目に悪事を遂行する男を遂行した」

左から黒沢清監督、岡山天音、窪田正孝、菅田将暉、古川琴音、奥平大兼、荒川良々
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第81回ヴェネツィア国際映画祭のアウト・オブ・コンペティション部門に出品された黒沢清監督の『Cloud クラウド』のジャパンプレミアが10日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。

黒沢監督はヴェネツィアの後、カナダの第49回トロント国際映画祭にも参加。「熱心に見ていただけた。映画祭では失礼だと思うのだが、途中で出て行く人が多い。今回はほとんど誰も出ていなかった。トロントで、後半の凄くいいところでおじさんが一人出て行ったので、どうしたのかと思ったら1分くらいで戻ってきた。トイレだったみたいです」と安堵の表情を浮かべた。

黒沢清監督

さらに、「ヴェネツィアでは皆が固唾を飲んで見守っている感じで、トロントではけっこう笑いが起きていた。意表を突かれた形でした」と感想。スケジュールの都合で参加できなかった主演の菅田は、「うれしいですね。それを語っている監督がうれしそうで良かった」と語った。

インターネット上での転売ヤーが、知らず知らずのうちに標的となり追い詰められていくサスペンス。追われる身となる菅田は、「本当に怖かったし、追っている皆が凄く楽しそうで、いいなあと思いながら演じていた。監督も楽しそうだったし、僕はずっとおびえていました」と苦笑交じりに撮影を振り返った。

主演の菅田将暉

ほかに古川琴音、奥平大兼、岡山天音、荒川良々、窪田正孝が舞台挨拶に出席。主要キャストは初の組み合わせとなった黒沢監督は、「予想ができなくて最初は不安もあったが、始まってみると皆が協力的で私のつたない指示に従ってくれたので、何のストレスもなく進められた」と感謝した。

菅田も役づくりに関し、「こういう人ということは考えず、真面目に悪事を遂行する男として淡々と遂行しただけ」と説明。だが、「クランクイン前日にピーラーでサツマイモの皮をむいていたら肉ごと指を切ってしまったし、食事をしていたら奥歯を割ってしまった。撮影中もひげを半分落としてしまったり、それほど緊張していたんだと思う」と明かした。

『Cloud クラウド』は、9月27日から全国で公開される。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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