Netflix『さよならのつづき』釜山国際映画祭でWプレミア、有村架純「悲しみの先の希望をくれる作品」
第29回釜山国際映画祭で3日、オンスクリーン部門でNetflixシリーズ『さよならのつづき』がワールドプレミアとして上映され、主演の有村架純と坂口健太郎、黒崎博監督が出席した。
2021年に設立された配信ドラマ部門で、日本作品では初の選出。第1、2話の上映後、約800人の観客の拍手に迎えられた有村は韓国語で「お会いできてうれしいです。この作品をたくさんたくさん愛してください」と笑顔でアピール。坂口も「皆さん、ドラマはいかがでしたでしょうか?ありがとうございます」と流ちょうな韓国語を披露し歓声を浴びた。
事故で最愛の恋人を失った女性と、その恋人に命を救われた男性が北海道、ハワイの壮大な風景を舞台に運命に翻ろうされていく切ない愛の物語。映画『8年越しの花嫁 奇跡の実話』、『余命10年』などで知られる岡田惠和氏が脚本を手掛けたオリジナル作品だ。
有村は役づくりについて問われ、「日本人的ではないうれしい、楽しい、悲しい、怒りのような素直な感情を思い切り気持ち良く表現できるような女性像を目指しました。キャラクターの強さや無邪気さを表現できたらいいなと思い挑戦しました」と説明。坂口も、「自分の体があって、そこにある種2人の意識があって、撮影中も今は一体どちらの自分なのか説明ができないほど本当に難しかった。正解はないと思っていたので、一つのシーンを何度も紆余曲折を経ながら地道に積み上げるように撮影していきました」と明かした。
観客からは「愛とは何でしょうか?」というストレートな質問があり、有村は「私が思う愛とは涙。理由は、思うからこそ友達でも家族でも恋人でもうれし涙や悲しい涙を一緒に流したり、自分の心が1ミリでも2ミリでも動くものに対しては、すべてに愛が生まれている証なのかなと思います」と回答。坂口は、「恋人同士でも家族でも友人でも、自分のことを犠牲にしてまでも相手のために何かしたくなった瞬間に、初めて愛になるんじゃないかなと思います」と真摯に応えた。
そして、「この物語と同じように、悲しいことがあっても人生は続いていくので、その悲しみを乗り越えた先にきっとある希望をくれるような作品になっている。そういうメッセージが伝わればうれしい」とアピールした有村。坂口も、「悲しいことがあっても僕らは一歩足を前に踏み出さないといけなくて、今見てもらった映像の中で彼らは確かに存在していて、呼吸していて、彼らのその生きざまやストーリーを皆さんの心の中に残してほしい」と締めくくった。
『さよならのつづき』は、11月14日から世界配信される。
また、2日に行われたオープニングセレモニーでは、『蛇の道』、『Cloud クラウド』が招待されている黒沢清監督が、アジアン・フィルム・メーカー・オブ・ザ・イヤー賞を受賞。アジア映画産業に大きく貢献した人物を表彰するもので、「僕が映画を撮り始めてもう40 年になりますが、初めて釜山映画祭に参加したのはおよそ20 年前なので、僕の映画人生の半分は釜山映画祭に見守られていたと言っていいでしょう。その20 年間のキャリアが評価され、このような名誉ある賞をいただけたのだと思います。大変感激しております」と喜びをかみしめた。
記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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