『スーパーマン』予告から読み解く今作が伝えたいものとは?

David Corenswet in James Gunn's Superman
『スーパーマン』のデヴィッド・コレンスウェット 写真:DC/YouTube
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ジェームズ・ガン監督による映画『スーパーマン』の待望の予告編が公開され、DCU初の実写映画として大きな期待が寄せられている。この映画は、1978年以来多くの人々に響いていないスーパーマン像を再構築し、新たな命を吹き込むことを目指している。さらに、ジョン・ウィリアムズのテーマ曲を基にした新しい音楽が、スーパーマンを進化する象徴として描き出している。

予告編では、希望をテーマにしつつも、現実の厳しさを反映した物語が示唆されている。ジェームズ・ガン監督の楽観主義への意図がありながらも、映像は単純なヒーロー像を超えた複雑さを描かれている。スーパーマンのキャラクターが世界とどのように共鳴するかを探る意欲的なアプローチが見える。

特に注目すべきは、予告編の冒頭が微笑むスーパーマンではなく、打ちのめされ墜落する姿から始まる点である。彼が血まみれで孤独の要塞近くに着地し、クリプトの助けを必要とするシーンは、希望だけでなく試練や再生の物語であることを暗示している。

スーパーマンが息を切らし、苦しむ姿を描くことで、彼が痛みを感じる存在であることが強調されている。
このティザーは、「スーパーマンは強すぎて苦難を経験しない」という批判を払拭し、肉体的に傷つきやすい一面を描いている。これにより、観客はスーパーマンをより人間的で共感できる存在として捉えることができる。

さらに、スーパーマンは肉体的な苦難だけでなく、感情的にも打ちのめされている。怒りに満ちた群衆の中を歩き、非難を浴びる彼の姿は、全員から愛される存在ではないことを示している。
現代社会を反映するかのような厳しい状況の中で、スーパーマンがどん底にいる様子が描かれ、ジェームズ・ガン監督の作品は過去の映画とは異なるトーンを打ち出している。

新しいスーパーマンでは、これまでの「スーパーマンは必要か?」という問いから一歩進み、「どうすれば世界がスーパーマンを望むようになるか」という新たな課題に挑んでいる。この問いは映画の中の世界だけでなく、観客に対しても投げかけられており、多くのヒーロー映画がある中で、この映画の必要性や魅力を再確認する内容になっている。

スーパーマンが少女を救う姿や架空の国ボラヴィアでスーパーマンのシンボルが希望の象徴として掲げられるシーンが描かれ、現実の困難に直面しながらも理想の世界を想像する希望が若い世代にあることを示唆している。これにより、傷つきやすいヒーローであるスーパーマンと、未来への可能性を繋げる物語が提示されている。

映画『スーパーマン ディレクターズカット』(1978年)引用元:Amazon

また、「Look Up」というキャッチコピーは、1978年の「You’ll Believe a Man Can Fly(空を飛ぶ男を信じることができる)」というメッセージを思い起こさせる。スーパーマンが本来持つ子どもたちへの訴求力を再び前面に出し、近年の大人向けにシフトした映画から、子どもらしい純粋さや驚きを取り戻すことを目指している点も、この新作の特徴である。

そして、短い映像のなかでも、ガイ・ガードナー(ネイサン・フィリオン)、ホークガール(イザベラ・メルセード)、ミスター・テリフィック(エディ・ガテギ)、メタモルフォ(アンソニー・キャリガン)といったヒーローたちの姿が一瞬ではあるが確認でき、彼らの登場が期待感を高める要素となっている。

最も印象的なのは、スーパーマンがただのヒーローではなく、日常生活の中で苦悩しながらも希望を象徴する存在であるという描写である。ティーザーでは、スーパーマンが私たちの理想と可能性を体現する存在として描かれ、「明日を生きる人」としての魅力を伝えている。

映画『スーパーマン』は、2025年夏に公開予定。

※この記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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