ベルリン映画祭(2025):金熊賞に同性愛を描いたノルウェー作品『Dreams』

現地時間22日、第75回ベルリン国際映画祭の授賞式が開催され、ノルウェーのダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督による映画『Dreams(英題)』が、最高賞の金熊賞を受賞した。
『Dreams』は、ハウゲルード監督による『Sex, Love, Dreams』3部作の完結編。女子高生が女性教師に抱く恋心を描いたラブストーリーで、物語は主に回想の形で進み、少女が出来事を基に執筆した小説を通じて語られる。米『ハリウッド・リポーター』の映画評論家デヴィッド・ルーニー氏は、本作を「繊細で魅力的、そしてしばしば非常にユーモラス」と評している。
今年は、映画『キャロル』のトッド・ヘインズ監督を審査委員長に迎え、コンペティション部門に出品された19作品の中から『Dreams』が選出された。
また俳優部門では、ローズ・バーンとアンドリュー・スコットがそれぞれ銀熊賞の主演俳優賞と助演俳優賞に輝いた。バーンは、メアリー・ブロンスタイン監督によるA24作品『If I Had Legs, I’d Kick You(原題)』で神経衰弱寸前のセラピストを演じ、鬼気迫る圧巻の演技が絶賛された。一方スコットは、リチャード・リンクレイター監督の『Blue Moon(原題)』でブロードウェイの作曲家リチャード・ロジャースを演じている。
以下、第75回ベルリン国際映画祭の主な受賞者
■金熊賞
『Dreams(英題)』ダーグ・ヨハン・ハウゲルード監督
■銀熊賞(審査員グランプリ)
『The Blue Trail(英題)』ガブリエル・マスカロ監督
■銀熊賞(審査員賞)
『The Message(英題)』イバン・ファンド監督
■銀熊賞(監督賞)
『Living the Land(英題)』Meng Huo監督
■銀熊賞(主演俳優賞)
ローズ・バーン『If I Had Legs, I’d Kick You(原題)』
■銀熊賞(助演俳優賞)
アンドリュー・スコット『Blue Moon(原題)』
■銀熊賞(脚本賞)
ラドゥ・ジューデ『Kontinental ’25(原題)』
■銀熊賞(芸術貢献賞)
ルシール・アザリロヴィック監督『The Ice Tower(英題)』のアンサンブル
■最優秀新人作品賞
『The Devil Smokes (and Saves the Burnt Matches in the Same Box)』エルネスト・マルティネス・ブシオ監督
■ドキュメンタリー賞
『Holding Liat』ブランドン・クレイマー監督
■金熊賞(短編映画)
『Lloyd Wong, Unfinished』レスリー・ロクシー・チャン監督
■銀熊賞(短編映画)
『普通の生活』水尻自子監督
※本記事は英語の記事から抄訳・要約しました。編集/和田 萌
【関連記事】
- ベルリン国際映画祭、審査委員長がトランプ米大統領に言及「世界的に危機的状況」
- 英国アカデミー賞(BAFTA)2025:『教皇選挙』が作品賞、最多タイの4部門に輝く
- 移民、トランスジェンダー…2025年のアカデミー賞は、トランプ大統領が破壊できない多様性推進策なのか?
- アカデミー賞を受賞したミュージカル映画10本…オードリー・ヘップバーン主演のあの作品も!
- 第97回アカデミー賞(2025)を大予想!遂に投票終了、最有力候補は…?