『サンダーボルツ*』出演 ルイス・プルマン―父ビル・プルマンの影を超え、新たな俳優人生を切り開く

マーベル映画『サンダーボルツ*』で複雑な悪役ボブを演じるルイス・プルマンが、ハリウッドで自らの道を切り拓いている。32歳の彼は、名優ビル・プルマンの息子として知られるが、その名に頼らず、独自のキャリアを築いてきた。
かつては大学演劇で苦戦していたというプルマン。しかし、長年の経験と先輩俳優たちから学んだ技術を通して、自信と実力を身につけてきたという。
また、彼は自身が享受した“ネポティズム(縁故)”の恩恵についても率直に語る。カメラの前で自然に振る舞えるようになるまでに時間がかかったとし、「経験の機会を得られたことこそが最大の幸運だった」と振り返った。
(写真:Chuck Zlotnick/MARVEL)
今後の記事では、『サンダーボルツ*』での役作りや、父との違い、過去作品から得た教訓、『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』への思い、不安との向き合い方、そして俳優ジェフ・ブリッジスから学んだ“理想の休日”まで、彼の素顔に迫る。
―俳優の父を持つ環境は、俳優を目指す決断にどう影響した?
私の家族は芸術的で、子どもの頃から即興劇をして遊んでいた。高校までは父の仕事について深く知らなかったが、興味を持ち始めたのがその頃。大学卒業後に演劇の楽しさに気づき、「これを続けたい」と思った。最初は一人でやろうとしていたが、今では父と経験を共有できることに喜びを感じている。
―父とは異なる俳優としての道をどう切り開いてきた?プレッシャーはあった?
最初は父の跡を継がねばという重圧があった。しかし、自分は父とは違う強みを持つと気づいたことで、「自分の道を進めばいい」と思えた。現場では多くの人が父を称賛しており、その人柄に感謝している。
―『サンダーボルツ*』に惹かれた理由は?
マーベルの世界は自分には縁がないと思っていたが、監督ジェイク・シュライアーの作品に対する深い理解に感銘を受けた。物語は壮大で神話的。未知の世界だったが、彼の導きでボブというキャラクターを形にできた。物語は精神的なテーマにも踏み込み、社会福祉を学んでいた自分に合っていた。
―強大な悪役ボブを演じるにあたって、どのような準備を?
ボブは何層にも重なるような複雑な人物。体力と感情の持久力を鍛えるため、トレーナーと共に肉体作りを行った。また、コーチと共にコミックを読み込み、役の歴史を深く掘り下げた。ヒントが多く、飽きる暇がなかった。演じるべきキャラが彼でよかったと心から思う。
―ボブのどんな場面を観客に見てほしい?
人格が切り替わるのではなく、複数の面が混在している「ごちゃまぜな人間性」が伝わってほしい。
―『アベンジャーズ:ドゥームズデイ』出演が決まったときの感想は?
撮影中でスマホを見られなかったが、戻ったら87件のメッセージが届いていた。共演のダニー・ラミレスから「一緒に出るよ」と知らされて仰天。自分の名前がその豪華キャストの中にあるのが信じられなかった。ただ、愛着あるボブ役で続投できるのが何より嬉しい。
―『レッスン in ケミストリー』でのエミー賞ノミネートから得たものは?
原作を読んで心から感動し、作品に深く共感した。化学の知識はなかったが、演技に集中することで乗り越えた。監督たちはブリー・ラーソンとの関係性に重きを置き、物語の核となるテーマを丁寧に描こうとしていた。それが観客にも伝わったと信じている。
―これまでのキャリアの経験は、今の自分にどう生きている?
仕事を通して得た「職人技」が今の自分を作っている。経験を重ねたことで、カメラの前でも自然体でいられるようになった。もし数年前にマーベルのオーディションを受けていたら、緊張で失敗していただろう。今は冷静に挑めるようになった。
―今後挑戦してみたい作品やジャンルは?
デヴィッド・ゴードン・グリーンとダニー・マクブライドのコメディ作品に出演したい。彼らのユニークな世界観が大好きで、落ち込んだときには彼らの作品のNG集を観て元気をもらっている。
―理想の休日の過ごし方は?
ジェフ・ブリッジスが言う「隠者生活」が好き。寝たり、犬と散歩したり、家族と過ごしたり、ドラムを叩いたりするのが理想。家族と庭で遊ぶ時間も大切にしている。
―これまでで一番乗り越えるのが難しかったことは?
人生を通して悩んできたのは「不安」。でも、それを敵視せず、むしろ味方として扱うようにした。不安は多様な形で現れるが、うまく使えば前進のエネルギーになる。
―ルイス・プルマンをルイス・プルマンたらしめるものとは?
「まだ足りない」と感じ続けるところ。満足する瞬間は一瞬しかなく、その一瞬を追い求め続ける姿勢こそが自分らしさだと思っている。
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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