イタリアのベルルスコーニ元首相が死去 86歳

シルヴィオ・ベルルスコーニ氏 写真: ©MARCO TACCA/GETTY IMAGES

イタリアの元首相シルヴィオ・ベルルスコーニ氏が死去した。86歳だった。AP通信によると、ベルルスコーニ氏は金曜日に慢性白血病の治療のためミラノ市内の病院に入院、12日地元メディアが同氏の訃報を伝えた。

イタリア国内で最も裕福な人物の1人に数えられ、大手メディア会社「メディアセット」の支配株主としてその名を知らしめた。“イタリア版ルパート・マードック”の評を得るなど、国内メディアに対する支配的地位は度々非難の対象となった。

法律の学位を取得後、戦後のブームのさなか不動産会社を経営、中産階級の家族向けにアパートを建設し成功を収めた。70年代にメディア界に進出、アメリカのヒット作品を放映するTVネットワークを立ち上げ、イタリア放送協会(RAI)のモノポリーに対抗した。また、自身の持ち株会社「フィニンヴェスト」は、大手出版会社「モンダドーリ」、映画会社「メドゥーザ・フィルム」を傘下に。さらに、2017年に中国の合弁企業に売却されるまで、サッカークラブ「ACミラン」のオーナーを務めた。一方で、その派手なライフスタイルで世間を騒がせてきた。

政界に足を踏み入れたのは1994年。中道右派政党「フォルツァ・イタリア」を設立し、2011年まで数々の保守系政権を率いた。9年間で3度首相を経験、第二次世界大戦以来イタリアで最も長い任期のリーダーとなった。ベルルスコーニ氏は政界に身を置きつつも、「メディアセット」の支配を続けていた。

2009年に「フォルツァ・イタリア」は「自由国民党」に統合。2013年には新たに「フォルツァ・イタリア」を創設するも、脱税による有罪判決といった問題が追い打ちをかけ人気が低下、議員辞職した。しかし2022年、ジョルジャ・メローニ首相が率いる連立政権のジュニアパートナーとしてイタリア議会に復帰していた。

またベルルスコーニ氏はプーチン大統領の友人と評され、ロシアのウクライナ侵攻についてゼレンスキー大統領を非難し、大きな議論を巻き起こした。

数十年にわたり健康問題を抱え、4月には慢性白血病による肺感染症で治療を受けた。2020年に新型コロナに感染、入院生活を送った。1997年、前立腺がんを克服。2006年には演説中に倒れ、アメリカの病院でペースメーカーを植込んだ。

1936年、ミラノ生まれ。昔からエンターテイナーとしての才能に恵まれた。2005年にはフィンランドのハロネン元大統領を“プレイボーイ術を駆使して”説得し、欧州食品安全機関の誘致を断念させたと明かした。

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら

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