K2 Pictures「日本映画の新たな生態系」目指すファンドの成立、ゆりやんレトリィバァの監督デビューをカンヌで発表

ⓒ Kazuko Wakayama
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『孤狼の血』、『シン・仮面ライダー』などを手掛けたプロデューサーの紀伊宗之氏が代表を務める映画会社「K2 Pictures」が18日、映画祭を開催中の仏・カンヌで記者会見を開き、映画製作ファンド「K2P Film Fund Ⅰ」の成立を発表した。

「日本映画の新しい生態系をつくる」ことを目的に、新たな国内外投資家の日本映画産業への参入、クリエイターへの利益還元を推し進めていくプロジェクト。ファンドの投資機関は8年に設定。その収益を再投資することで、キャリアのある監督だけでなく次世代の新たな才能の発掘にも取り組んでいく。

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紀伊氏は日本映画の弱点について「保守的で閉鎖的、意思決定が遅いこと。これは映画界だけではなく日本の産業全体でそうなっていると思う。1年かけていたら考えていたことも古くなってしまう。少ない人数で意思決定し、思い切ってチャレンジすることが大切」と見解を述べた。

会見には同社の趣旨に賛同し映画製作を進めていく三池崇史、西川美和両監督も出席。三池監督は、「海外の需要に応えていくというよりは、日本人と組むからこそこういう映画が生まれたという夢ではなく実績として作品を作り上げていく。僕らにとっての発言は生まれていく作品なので、このプロジェクトを非常に楽しみにしている」と期待。西川監督も、「海外の映画祭に行くと、映画という文化が非常に価値の高いものとして受け入れられていることを痛感します。どうしたらもっと映画を豊かに体験して、育んでいけるのかを皆で未来を考えて行動していけたら」と意欲を語った。

新たな才能の発掘として、お笑い芸人のゆりやんレトリィバァが監督デビューすることも発表。関西大時代は映像文化の授業を選択し、将来の夢を映画監督と語っていたゆりやん。「数年前のテレビ番組で言ったのを、たまたまK2のプロデューサーが見てくださっていて声をかけてくださいました。感謝してもしきれませんが、絶対に恩返しできるように頑張ります」と意気込んだ。

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作品の詳細は未定だが、今年12月から拠点を米国に移すことも表明。「K2 Picturesと制作する作品とともに映画監督として世界中の皆さまに見ていただけるようになりたいです。ユリント・イーストウッドになります。お楽しみに」と、世界的巨匠の名前をもじって宣言した。

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K2 Picturesは三池、西川両監督のほか岩井俊二監督、是枝裕和監督、白石和彌監督、「チェンソーマン」などのアニメ制作会社MAPPAと共同で映画製作を進めていくことを発表している。若手からも枝優花、広瀬奈々子監督の参加が決まっている。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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