若手映画作家の登竜門「第46回ぴあフィルムフェスティバル」のラインナップが発表

PFFアワード入選作
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第46回ぴあフィルムフェスティバル(PFF)」(9月7~21日、東京・京橋の国立映画アーカイブ)のラインナップが発表された。

「映画の新しい才能の発見と育成」をテーマに、1977年にスタート。自主映画によるコンペティション「PFFアワード」はこれまで黒沢清、塚本晋也、李相日、石井裕也ら180人を超える映画監督を輩出し、若手映画作家の登竜門とされる。

今年は前年から135本増となる692本の応募の中から19本が入選。最年少の14歳を含め18歳以下の監督作品が3本入り、荒木啓子ディレクターは「近年、スマートフォンだけで映画を作ることが普通になった。10代に向けてのキャンペーンも積極的に始め、実際に3作品が入選しうれしい年となった」と説明。中国、韓国からの留学生が増えていることでの応募者の増加や、3分の2が女性と比率が高くなっていることを特徴として挙げた。

最終審査員の𠮷田恵輔監督は、「PFFには何回か応募しましたが、一次を通ったことがないんです」と苦笑。その上で「個人的には、うまくて即戦力として使える監督よりも、不器用でもいいからカラーが出ていて個性が爆発している監督を見つけたい。自主映画は独りよがりになってもいいと思う。『俺が失ったものを持っているな』と思えるような作品、『俺が良ければこれで良いんだ』と引き寄せる力のある、ある種のカリスマ性を見たい」と抱負を述べた。

左から荒木啓子ディレクター、𠮷田恵輔監督、犬童一心監督

招待作品部門では「生誕100年・増村保造再発見!~決断する女たち~」を開催。4Kデジタルリマスター版の日本初上映となる『盲獣』(1969)や『大地の子守歌』(1976)、『曽根崎心中』(1978)など13本が上映される。荒木氏は、「今見ても新しすぎる映画がそろった」と自信のほどを語った。

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ほかに、「自由だぜ!80~90年代自主映画」、今年7月に急逝した俳優の中村靖日さんの特集「中村靖日さんを偲んで」では、出世作となった『運命じゃない人』(2004)などを上映。5作品で中村さんを起用した犬童一心監督は、「訃報を聞いた時は本当に厳しいな、もう頼めないのかという気持ちになりました。彼が横にいてくれると癒される。彼はカメラのこちら側に来てくれて、仲間として横にいてくれる人なんです」としのんだ。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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