【インタビュー】ボーカルグループ イル・ディーヴォに単独インタビュー!「カルロスは今もここにいる」新体制の裏側と日本愛を語る
ハリウッド・リポーター・ジャパンは、来日公演を間近に控えたイル・ディーヴォのデイヴィッド・ミラーにインタビューを実施した。

イル・ディーヴォは、音楽プロデューサーのサイモン・コーウェルのプロデュースにより2004年に結成された多国籍ボーカルグループで、クラシックとポップスを融合させた独自のスタイルで世界的成功を収めてきた。カルロス・マリンの死という大きな喪失を乗り越え、新メンバーのスティーヴンを迎えた彼らは、現在新たなフェーズに入っている。

本インタビューでは、メンバーのデイヴィッドが、カルロス・マリンの死を乗り越えた現在の心境、スティーヴン加入の背景、そして日本への特別な想いについて語った。今回の来日ツアー「CLOSERツアー」に込めた意図にも迫る。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーー日本語をいろいろご存知なんですね。
デイヴィッド:もうほぼ20年くらい日本語のフレーズを勉強しているんですけど、練習する相手がいなくて、ほとんど自分とDuolingo(言語学習アプリ)だけなんです(笑)。
ーーーDuolingo使っているんですね。好きな日本語は何ですか?
デイヴィッド:「きれい」です。「美しい」と「清潔」の両方の意味があるんですよね。これが日本人の感性のひとつで、僕はすごく好きなんです。
新章へ——スティーヴン加入とカルロスの喪失
ーーー日本人として、そう言っていただけてうれしいです。では今日はたくさん質問させていただきたいと思います。イル・ディーヴォは長年世界中で愛されてきましたが、スティーヴンが加入して、グループとして新しい章に入ったと感じていますか?
デイヴィッド:ええ、とても興味深いプロセスでした。本当にいろんな意味で。カルロスを失ったことで、ものすごく大きな悲しみを経験しましたし、ある時点ではそれでバンドの終わりだと思ったんです。というのも、イル・ディーヴォの成り立ちや、特にコーラス部分の作り方がすごく独特だったからです。
よく「ローボイス」と言われたりしますけど、それは正確ではなくて、カルロスの声はバリトンとしては非常に高いんです。あの音域を安定して出せるオペラのバリトンは多くありません。
それでスティーヴンと出会いました。僕はイル・ディーヴォ以外のオペラの世界で彼と一緒に仕事をしたことがあって、コンサートも一緒にやっていましたし、実は僕の今後リリース予定のソロオペラアルバムにも参加しています。
ちょうどコロナの直前に一緒に仕事をしていて、それで「グループを続けられるか試してみよう」と思ったんです。カルロスが回復するまでの間、モータウンツアーに参加してくれないかとお願いしました。
その時はそのアルバムのツアーをする予定だったんですが、その後最悪のことが起きてしまって、カルロスを失いました。それでコンサートの性質を完全に変えて、追悼コンサートにしました。
僕たち3人にとっては本当に感情的にとても辛いものでした。スティーヴンはバリトンとしてだけでなく、すばらしい友人になってくれました。
もともと僕は彼と友達でしたが、彼がウルスやセバスチャンとも友達になって、そのプロセスを一緒に経験することで、すごく強い絆が生まれました。まるで5人目の兄弟のようになったんです。もともと4人で兄弟のような関係でしたが、彼は17歳年下の末っ子のような存在になりました。
そしてこの友情と絆があったからこそ、正式なメンバーとして迎え、20周年アルバム『XX』にも参加してもらうことになりました。すべては一歩一歩の積み重ねでした。日本の皆さんが言うように、毎回ベストを尽くすしかなかったんです。
そして今、乗り越えることができました。関係性もすばらしく、声の相性も最初より良くなっています。前回日本に来たときはまだ試行錯誤の段階でしたが、今回は「これだ」と言える状態です。

「カルロスは今もそこにいる」——受け継がれる音楽
ーーーイル・ディーヴォの歴史を語る上でカルロスの存在は欠かせませんが、彼がグループに残した精神やエネルギーについて、どのように感じていますか?音楽スタイルやパフォーマンスの面でも、そのレガシーは今も生きているのでしょうか?
デイヴィッド:実際のところ、イル・ディーヴォのスタイルは僕たち4人全員によって作られたものなんです。2004年にそのサウンドを作り上げていく中で、カルロスの影響は非常に大きかった。
例えば僕は、それまでレコーディングスタジオで仕事をしたことがなかったんです。だから、マイクの使い方やスタジオでの作業の進め方など、多くのことをカルロスから学びました。
それから「どのパートを誰が歌うべきか」といったこともそうです。「君が歌ってみたら?」「じゃあ君はこっちをやってみて」といった具合に、彼は最年長の兄のような存在として、僕たちにアドバイスをくれました。彼はレコーディングの経験も豊富だったので、僕たちは彼を頼りにしていました。
そして、これまでに残してきたすべてのレコーディング——つまり何が言いたいかというと、カルロスは常にそこにいるということです。音楽の中に、アレンジの中に、スタイルの中に、すべての中に。
『XX』というアルバムのスタイル自体も、これまでのすべての積み重ねから生まれています。だから新しいスタイルというよりは、新しい声が加わった継続なんです。でもカルロスは、いまもずっと一緒にいます。
なぜイル・ディーヴォは20年続いたのか
ーーーサイモン・コーウェルのプロジェクトとして結成されたとのことですが、多くのボーカルグループはソロに分かれてしまうことも多い中で、約20年一緒に活動されているのはすごいことだと思います。お互いをリスペクトし、関係を維持し続けるために最も重要なことは何だと思いますか?
デイヴィッド:とても良い質問ですね。確かに僕たちには友情があります。それは事実です。ただ、その友情は20年間にわたる信じられないような音楽体験や、世界中の国々からのすばらしいサポート、ツアーやミュージックビデオ、アルバム制作、プロモーションなど、長い時間を共に過ごしてきた中で育まれたものです。
むしろ友情というより、家族に近い関係だと思います。ただし、その友情は単に「人として好きだから」という理由だけではありません。もちろんお互いを尊敬していますし、好きでもあります。
しかし僕たちを最も強く結びつけているのは「音楽」なんです。「Unbreak My Heart」や「My Way」、「The Winner Takes It All」、「Adagio」、「Smile」など、様々なジャンルの楽曲がありますが、それらをどうやってイル・ディーヴォのサウンドに落とし込みながらも、曲そのものの本質を損なわないか。それが常に最優先事項でした。
僕たちはずっと言い続けている言葉があります。「その曲にとって何がベストかを考える」ということです。レコーディングの時、最初は決まったフォーマットがなかったので、全員が曲を最初から最後まで全部歌っていました。僕が全部歌い、次にセバスチャンが全部歌い、ウルスも全部歌う、という感じです。そこでプロデューサーが「ここは君の声、ここは君、ここは君…とパズルのように組み合わせたらどうか」と提案しました。それは僕たちにとって非常に新しい発想でした。
その後は「ここは君の声がいい」「ここは入れ替えよう」「ここはハーモニーにしよう」といった具合に、よりクリエイティブに作業できるようになりました。それぞれの声を活かしつつ、でも最も大事なのはメロディーであり、それを誰か一人が長く独占しないようにしました。なぜなら、グループとしての一体感が重要だったからです。
もし誰か一人でも欠けたら、サウンドは完成しない。バンドとして成立しない。カルロスを失った時にそれを強く感じました。もしそれがウルスだったら、セバスチャンだったら、あるいは僕だったらと考えると…。だから誰かがソロ活動に行ってしまうと、グループ自体が崩壊してしまう。そのことを僕たちは理解していましたし、音楽とグループに対して強い忠誠心がありました。だから誰も離れないんです。

ーーーなるほど。皆さんそれぞれ非常に才能があって、グループとしても完璧に調和しているということですね。
デイヴィッド:そうですね。そのバランスを作るために膨大なエネルギーを費やしてきたので、それを壊したくないんです。もちろんソロプロジェクトもありますが、イル・ディーヴォに影響を与えない範囲で行っています。
例えば僕はソロのオペラアルバムがありますし、セバスチャンもソロアルバムを2枚出しています。カルロスも出していましたし、スティーヴンも今制作しています。でもそれはすべて、ツアーやアルバムの合間に行っています。個人としての表現も大切ですが、イル・ディーヴォを壊さないことが前提です。
The Closer Tour——より近く、より個人的に
ーーーありがとうございます。そしておっしゃっていたように、2年半ぶりに日本ツアーで戻ってこられますね。今回の公演に向けてどのように準備されていますか?また、日本のファンはどんなショーを期待できますか?
デイヴィッド:本当に久しぶりの日本です。正直、長すぎたくらいです。僕たちは日本が大好きですし、日本の観客の皆さんも大好きです。本当に素晴らしくて、熱心なファンがたくさんいます。
会場の前の方の席でよくお見かけする方もいて、僕たちが手を振ると振り返してくれる、そういう関係なんです。今回のショーは、これまでのイル・ディーヴォの公演とは少し違います。ツアーの名前は「The Closer Tour」です。
『XX』のアルバムについて少し触れましたが、イル・ディーヴォのスタイルというのは「大きく、さらに大きく」というものです。大きなエンディングや高音など、常にスケールの大きさがあります。もちろん今回もそれはありますが、このツアーでは「近さ」を大切にしたいと思いました。僕たち個人をより知ってもらうこと。
そのために、ショーの中にソロパートを入れて、それぞれが観客とより直接的につながれる時間を設けています。また、これまでよりもずっと静かな瞬間もあります。音楽監督も今回はピアニストで、以前はドラマーでした。
さらに、アルバムバージョンではない形で、ピアノと僕たちだけで演奏する楽曲もあります。より親密で、よりつながりを感じられるショーになっています。
そしてもちろん、日本では特別な曲を用意しています。世界中で唯一、日本だけに向けて特別な楽曲を歌っています。今回も「ふるさと」を披露します。


日本との特別な関係——「何かを返したかった」
ーーー日本への特別な想いについても教えてください。
デイヴィッド:イル・ディーヴォの最初の頃、僕たちは何もわかっていませんでした。僕たちはただの歌手で、バンドではなかったんです。
サイモン・コーウェルによって集められたプロジェクトで、彼は「ボチェッリが好きだ、パヴァロッティが好きだ、ボーイバンドも好きだ、それを組み合わせよう」と考えたんです。
それで僕たちの声を見つけて、「この曲をやってみて」と言われて試していきました。最初にできたのが「Regresami(Unbreak My Heart)」でした。
その後、世界中のレコード会社の人たちの前でライブを行い、その中で日本が特に強い関心を示してくれました。実際に日本に行ってみると、日本の観客はすぐに僕たちを受け入れてくれました。とても情熱的で、すぐに愛してくれたんです。
僕たちはおどろきました。こんなに文化が違うのに、こんなにすぐ受け入れてくれるなんて、と。だから「何かを返さなければ」と思ったんです。それで日本語を勉強し始めました。日本の皆さんが敬意をもって迎えてくれたように、僕たちもそれに応えたかったんです。
最後に——日本のファンへメッセージ
ーーー最後に、日本のファンへメッセージをお願いします。
デイヴィッド:こんにちは、イル・ディーヴォのデイヴィッドです。5月に日本に行くことをとても楽しみにしています。いくつかの都市で公演がありますので、ぜひ公式サイトでチェックしてください。皆さんにお会いできるのを楽しみにしていますし、早くステージで歌いたいです。
イル・ディーヴォ
来日公演情報
CLOSERツアー スケジュール
【福岡】5月7日(木)福岡サンパレス ホテル&ホール
18:15開場/19:00開演
主催:KBC九州朝日放送/FM FUKUOKA/LOVE FM
お問い合わせ:BASE CAMP 092-406-7737
【大阪】5月9日(土)グランキューブ大阪
16:00開場/17:00開演
主催:FM COCOLO/FM802
お問い合わせ:ウドー音楽事務所 大阪支社 06-6341-4506 https://udo.jp/osaka
【広島】5月11日(月)上野学園ホール
18:00開場/19:00開演
主催:広島ホームテレビ
お問い合わせ:YUMEBANCHI(広島) 082-249-3571 https://www.yumebanchi.jp
【名古屋】5月13日(水)Niterra日本特殊陶業市民会館フォレストホール
18:00開場/19:00開演
主催:CBCテレビ
お問い合わせ:CBCテレビ事業部 052-241-8118 https://hicbc.com/event/
【東京】5月14日(木)&5月15日(金)東京国際フォーラム ホールA
18:00開場/19:00開演
主催:J-WAVE
お問い合わせ:ウドー音楽事務所 03-3402-5999 https://udo.jp
【仙台】5月18日(月)仙台サンプラザホール
17:30開場/18:30開演
主催:tbc東北放送/Date fm
お問い合わせ:EDWARD LIVE 022-266-7555 https://www.edward.co.jp/live/
【札幌】5月20日(水)札幌文化芸術劇場 hitaru
17:30開場/18:30開演
主催:北海道新聞社/エフエム北海道/道新文化事業社
お問い合わせ:道新プレイガイド 0570-00-3871 https://doshin-playguide.jp/
<チケット料金(各税込)>
S席 ¥18,000 A席 ¥16,000 B席 ¥14,000
チケット一般発売中!!
アルバム情報

『XX~トゥエンティ』
https://www.sonymusic.co.jp/artist/ildivo/discography/SICX-30195
世界が恋に落ちた。デビュー20周年を祝う、新生イル・ディーヴォの新たなる旅立ち。
プロフィール
20年間の人生、音楽、そして兄弟愛により、ひたすら活気を増し、高みへと進み、豊かさに磨きをかけてきたイル・ディーヴォ。時とともに味わいを増す良質のワインのように、物語のようなキャリアの中で、彼らはそれぞれの音色、特徴、個性を満開の花のように咲かせていった。そして今、10作目のフル・アルバムにして初の自主制作アルバム『XX』[イル・ディーヴォ・ミュージック/サーティ・タイガース]において、。スイス出身のウルス・ブーラー(テノール)、フランス出身のセバスチャン・イザンバール(テノール)、アメリカ出身のデイヴィッド・ミラー(テノール)、アメリカ出身のスティーヴン・ラブリエ(バリトン)からなる象徴的なカルテットは、その特徴的なサウンドの精神を守りながらさらなる広がりを見せている。
リンク
日本公式ページ https://www.sonymusic.co.jp/artist/ildivo/
【関連記事】
- 【インタビュー】奇跡の歌声ジョシュ・グローバンに単独インタビュー 「日本語でまた歌いたい」 新作『ジェムズ』と来日公演、25年の軌跡を語る
- 【2026年3月】プライムビデオ新作配信15選!『ズートピア2』『WEAPONS/ウェポンズ』ほか
- “ライブの中に入る”衝撃体験 ビリー・アイリッシュ3D映画が公開
- 【2026年版】ディズニープラス独占見放題配信おすすめ25選!話題の映画・シリーズを網羅
- 【2026年版】春休みにおすすめの子ども向け映画!配信で観れる日本・海外の注目作を厳選
