三宅唱監督「新しい映画生まれる感触」の最新作『旅と日々』が11月公開

三宅唱監督の最新作で、シム・ウンギョン、堤真一が出演する『旅と日々』が、11月に全国公開されることが決まった。
昨年の『夜明けのすべて』で毎日映画コンクール日本映画大賞、キネマ旬報ベスト・テン作品賞など映画賞を席巻した三宅監督が、次なるテーマとして選んだのはカルト的な人気を誇るつげ義春氏の漫画。「海辺の叙景」、「ほんやら洞のべんさん」の2本を原作に、売れない脚本家の李が旅先で迷い込んだおんぼろ宿の「べん造」と名乗る宿主との出会いを通して人生を見つめ直すヒューマンドラマだ。
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三宅監督は「つげ義春さん、(長年の)つげ正助さんに心より感謝申し上げます。ここ数年、家でも旅先でもマンガや紀行文を繰り返し読んできました」という。撮影は既に終了し、現在はポストプロダクションの真っ最中で「畏怖すら覚えるほど面白く、逃げ出したくなる日もありましたが、編集中の今、とことん新しい映画が生まれそうだという感触があります。シム・ウンギョンさん、堤真一さん、各部署の仕事は驚くほど純度の高いものです。ぜひ大きなスクリーンで堪能していただきたい。ゾワゾワしながらお待ちください」と手応え十分の様子だ。
李を演じるシムは、「ここ数年間で読んだ台本の中で最も好きな物語の台本でした。自分の自然体そのままで入ることが大事だと思い、旅に来て自分自身が感じていることを表現しました。悩んだときは監督に相談して、一緒に作り上げていく作業がすごく楽しかったです」と撮影を述懐。念願だったという三宅監督との仕事については、「すごくパワフルで、とても素晴らしい監督だなと思いました。今まで経験できなかったことを新たに経験できて、お芝居に関しても映画に関しても学びましたし、響いたことがたくさんあります」と感謝した。
べん造役の堤も、「つげ義春さんの独特の世界観で、特別なことは何も起きないけれど、ちょっとしたことが『それも人生』と思える作品だと思いました。脚本を読んで、ぜひやらせていただきたい」と即決。撮影では方言のセリフに苦労しながらも、セットや衣装に助けられたことも大きかったという。「特別なことは何も起きない、その土地で生きる人、不器用に生きる人の物語です。高級店ではなくて、おじいちゃんとおばあちゃんがやっている町中華のほうが安心するような感覚。妙に落ち着けて、クスっと笑えるような、そういう作品になると思います」と完成を心待ちにしている。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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