深田晃司監督、齊藤京子主演の最新作『恋愛裁判』がカンヌ・プレミア部門でお披露目
『淵に立つ』(2016)、『LOVE LIFE』(2022)などで知られる深田晃司監督が、自ら企画・脚本(共同)を手掛けた最新作『恋愛裁判』を、元乃木坂46で俳優の齊藤京子を主演に完成させた。同作は、5月13日に開幕する第78回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミア部門に出品されることが決まった。
深田監督が「元アイドルの女性に賠償命令」という新聞記事を目にしたこと着想を得て、構想から10年をかけて物語を練り上げた意欲作。日本のアイドル界では常識とされる「恋愛禁止ルール」に切り込み、契約書に違反する行動をしたとして所属事務所から訴えられた一人の女性アイドルの姿を描く。
昨年4月の卒業コンサート以降、今年1月期の日本テレビでのドラマ「いきなり婚」に主演するなど、俳優としての実績を積んできた齊藤は映画初主演。深田監督は、「齊藤さんとの出会いがなければ、この映画は完成しなかった。絵空事でしかなかった脚本に全身全霊で血肉を与えてくれて心から敬服しています」と賛辞を惜しまない。
カンヌではこれまで、『淵に立つ』がある視点部門審査員賞を受賞するなど実績があり、今回が9年ぶりで「構想から気づけば10年もかかってしまいましたが、最高の形でお披露目できることをうれしく思います。長年にわたりこの企画を信じて導いてくれたプロデューサー陣、現場を支えてくれた最高のスタッフ、キャストには感謝しかありません。ぜひ多くの人にこの映画を楽しんで欲しいです」と期待するコメントを寄せた。
齊藤も上映に合わせ現地入りする予定で、海外の映画祭はもちろん初めて。「出品されると聞いたときは、本当に夢のようで言葉にできないほどうれしかったです。この映画をたくさんの国の方々に見ていただけることが楽しみです。深田監督とご一緒させていただけたことを、心から光栄に思います」と喜びをかみしめている。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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