小栗旬『フロントライン』初日にモデルとなった医師からの手紙に感慨「勇気を持つ思いつながれば」
俳優の小栗旬が主演の映画『フロントライン』が13日、全国366館で封切られた。小栗は共演の松坂桃李、池松壮亮、窪塚洋介、森七菜、桜井ユキ、関根光才監督、増本淳プロデューサーとともに東京・丸の内ピカデリーで初日舞台挨拶。「やっと公開。この日を迎えられ、非常にうれしく思う」と万感の表情で語った。
2020年2月、新型コロナウイルスのクラスターが発生し横浜港に着いた豪華客船ダイヤモンド・プリンセスへ派遣された医療チームたちの奮闘を事実を基に描く、日本で初めてコロナを真正面から扱った作品。小栗は、ボランティア的組織「DMAT」の指揮をとる医師役を演じた。
モデルとなった医師の阿南英明氏から「5年前は苦しくて、早く終わりたい、早く忘れたいと信念がぐらつくこともあった。でも、小栗さんの後ろ姿を見て、何度も涙しました。素晴らしいDMAT、本当の勇気まで見せていただき心から共感します」という手紙が読み上げられると感無量の面持ち。「素敵なメッセージをいただきました。僕らは大変なことを乗り越えたからこそ今がある。そして、彼らは今も活動している。勇気をもらえる映画なので、明日からも勇気を持って生きていこうという思いがつながっていけばうれしい」と訴えた。
客船内でリーダーとなる医師役の窪塚は、小栗とは1998年のドラマ「GTO」以来27年ぶりの共演。「旬が呼んでくれて心から幸せ、誇りに思っている。世界を変える可能性のある映画だから、一人でも多くの人に見てもらいたい」と豪語した。
窪塚にも当時DMATの事務局長だった近藤久禎氏から「撮影時は能登半島地震(への対応)の最中でしたが、真剣な芝居に勇気づけられました」という旨の手紙が朗読された。窪塚は「力をいただいたのはこちら。酒を飲みながらテレビを見て『(感染者を)降ろしてんじゃねえよ』と言っていた当時の自分が本当に恥ずかしい」と明かしていた。
増本氏の綿密な取材に基づく脚本を映像化した関根監督も感慨深げ。「社会的な映画は日本映画の中ではそれほど多くない。チャレンジではあったが、一緒に手を携えて最後まで走り切ってくれた仲間に感謝します」と頭を下げた。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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