横浜流星、コロナ禍乗り越え主演映画「ヴィレッジ」公開に感慨「エンターテインメントは必要です」

 藤井道人監督、横浜流星主演の映画「ヴィレッジ」の公開記念舞台挨拶が22日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。

 2人は6度目のタッグとなるが、引き合わせたのが本作の企画・製作・エグゼクティブプロデューサーの河村光庸さんだ。藤井監督と19年「新聞記者」、21年「ヤクザと家族 The Family」と現代社会に鋭く切り込む話題作を送り出し、22年のNetflix「新聞記者」で出会った横浜に対しても「スターにしたい」という思いを抱いていた。その気持ちをかねて聞いていた藤井監督が今回、初めて長編映画の主演に抜てきした。

 血縁や因習に縛られた村を舞台に、その閉鎖的な世界から抜け出そうとする若者たちを描くオリジナル作品。ゴミ処理場で働きながら村の体質を変えようと奔走する主人公・優を演じた横浜は、脚本段階から参加しキャラクターをつくり上げた。藤井監督は、「没入して、周りが見えなくなることだけはやめようと言っていた。大人になった流星が見られた」と成長に目を細める。

 共演の黒木華も、「内にこもっている状態の時は声をかけづらいほどで、変化の行き来が凄いと思った。全編を通してピンと張りつめて、集中力も凄い」と絶賛。優にあこがれる役どころだったHiHi Jetsの作間龍斗は「追いかける背中として大きなものだった」と心酔した様子だ。

 作品のメタファーとして登場する伝統芸能の能も河村さんのアイデア。河村さんは昨年6月、完成を待たずに急逝したが、藤井監督は「コロナ禍においてエンターテインメントが必要なのかどうかという議論があったが、河村さんのエンターテインメントは不滅であるという熱い思いが日本最古の芸能である能を描くことだった。河村さんのただならぬ情熱です」と強調。横浜も、「エンターテインメントは必要だと思っている。日本映画の未来を明るくするためにも、映画館で映画を見る人が増えることを祈っています」と訴えた。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木 元

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