『踊る』シリーズ12年ぶり新作『室井慎次 敗れざる者』公開、柳葉敏郎「感謝の気持ちでいっぱい」
人気シリーズ『踊る大捜査線』の12年ぶりの新作となる映画『室井慎次 敗れざる者』が11日、全国381館で初日を迎えた。
主演の柳葉敏郎は共演の福本莉子、齋藤潤、前山くうが、前山こうが、筧利夫、矢本悠馬、飯島直子、小沢仁志、本広克行監督とともに東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで初日舞台挨拶。「最初は断ろうと思いましたが、今は感謝の気持ちでいっぱいです」と万感の表情で語った。
翻意したのは「本広監督、プロデューサーの亀山千広さん、脚本の君塚良一さんの室井に対する熱い思いを感じられたので、覚悟を決めてやらせていただきました」と説明。しかも撮影は自身の故郷で、現在暮らしている秋田で行われ「家と目と鼻と口の先でのロケ、母校でも撮影してうれしい半面、恥ずかしくもあった。でも、お世話になった方たちに少しでも恩返しできればと思いながら過ごしていた」と振り返った。
警察官を辞し、故郷の秋田で犯罪被害者、加害者の子供たちの里親となって静かに暮らす室井が、2003年『踊る大捜査線 THE MOVIE2 レインボーブリッジを封鎖せよ!』で逮捕された被疑者の1人の死体を発見したことから、事件捜査に巻き込まれていく物語を2部作で描く。柳葉は、「心強い俳優たちに支えられながら、気持ち良く現場にいられた」と満足げだ。
シリーズ最悪の猟奇殺人犯・日向真奈美(小泉今日子)の娘・杏役の福本は、「今までに演じたことのない二面性、影のある役で皆に怖い、怖いと言われながら演じました。真奈美の映像を見て研究して、一見普通だけれど異質な感じを意識しました」と強調。柳葉も「だって、怖かったもん」と称えるほどの熱演を見せた。
シリーズを通して出演し、本作では秋田県警本部長になっている新城役の筧は「柳葉さんとも12年ぶりだし、室井慎次に絶対に恥をかかせてはいけないと思い台本をもらったその日から毎日練習しました。どんどん室井になっていく柳葉さんを見て、心の中で『やった。これだよ』と思っていた」と最敬礼。柳葉は「本当か?」と懐疑的ながらも、「新城と育んできたものが走馬灯のようによみがえってきた。全シーン、感動しっ放しだった」と呼応した。
後編にあたる『室井慎次 生き続ける者』は11月15日公開。1997年の連続ドラマで青島(織田裕二)と交わした約束が、いかなる形で結実するのか気になるところだが、柳葉は「今回の室井は、皆さんの目にどのように映ったでしょうか。でも、こんな終わり方はご不満だと思います。『生き続ける者』でお会いしましょう」と意味深に語り、ファンの期待をあおった。
取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元
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