『釣りバカ日誌』シリーズ、「池中玄太80キロ」などの俳優・西田敏行さんが76歳で急逝

8日、『劇場版ドクターX』の完成報告会見に出席した西田敏行さん
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映画『釣りバカ日誌』シリーズやNHK大河ドラマ「翔ぶが如く」「八代将軍吉宗」などで知られる俳優の西田敏行さんが、東京都世田谷区の自宅で死去したことが17日、分かった。76歳。今月8日に出演映画『劇場版ドクターX』(12月6日公開)の完成報告会見に出席していたばかりで、突然の訃報となった。

西田さんは福島県生まれで、養父母に育てられた。映画館によく連れて行ってもらい役者にあこがれを抱き、中学を卒業してすぐに上京。1968年に青年座俳優養成所に入り、70年に卒業、青年座座員となった。71年「写楽考」で主役に抜てきされるなど、早くから頭角を現した。

同時期から舞台だけではなく映画やドラマにも端役で出演し、78年の日本テレビ「西遊記」の猪八戒役で注目された。80年の同局「池中玄太80キロ」の主人公・池中玄太が当たり役に。同年の大河ドラマ「おんな太閤記」の豊臣秀吉役で人気を確立した。歌手としても81年に発売した「池中玄太80キロ」パートⅡの主題歌「もしもピアノが弾けたなら」が大ヒットし、その年のNHK紅白歌合戦に出場した。

そして88年、三國連太郎さんとコンビを組んだ『釣りバカ日誌』は特別編を含め22本が製作され、22年に及ぶ人気シリーズに。出世には興味がなく釣りをこよなく愛するハマちゃん(浜崎伝助)は西田さんの代名詞となった。2015年にスタートしたテレビ東京のドラマでは、三國さんが演じたスーさん(鈴木一之助)に扮した。

舞台では94年にミュージカル「屋根の上のバイオリン弾き」の主人公テヴィエ役を森繫久彌さんらから引き継ぎ、約7年務めた。硬軟自在で幅広い役を演じただけでなく、ソフトな語り口の話術にも定評があった。01年に自身もファンだった朝日放送「探偵!ナイトスクープ」で上岡龍太郎さんに次ぐ2代目の局長に就任し、19年までレギュラー出演した。

西田敏行さん、映画『劇場版ドクターX』より

「ドクターX」には、12年のドラマ第1シリーズから蛭間重勝役で出演。映画の完成報告会見では、冒頭のあいさつで「もっと演じたいと思いましたが、もうないんだよね」と、主演の米倉涼子が発表する前に映画が完結編になることを明かしてしまい、笑いを誘っていた。

米倉涼子(49)はこの日、自身のインスタグラムで西田さんとの2ショット写真を投稿し追悼。「一昨日、写真をのせるからねと話したばかりなのに。悲しすぎて悲しすぎて、まだ信じられません」と悲しみの胸中をつづった。

そのほかの代表作に映画『植村直己物語』(86)、『敦煌』(88)、『おろしや国酔夢譚』(92)などがある。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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