本木雅弘『海の沈黙』公開に安堵「倉本聰先生も喜んでいると思う」

映画『海の沈黙』舞台挨拶に登壇した(左から)菅野恵、石坂浩二、本木雅弘、清水美砂、若松節朗監督
スポンサーリンク

倉本聰氏が原作・脚本を手掛けた映画『海の沈黙』の公開記念舞台挨拶が23日、東京・TOHOシネマズ六本木ヒルズで行われた。主演の本木雅弘をはじめ石坂浩二、清水美砂、菅野恵と若松節朗監督が登壇。本木は、「見ていただけて安堵しています。倉本先生も富良野で、この船出を喜んでいると思います」と胸をなで下ろした。

本木雅弘

天才と呼ばれながら突然画壇から姿を消した孤高の画家が、一つの贋作事件をきっかけに再びクローズアップされ、かつての恋人らによって封印していた過去が明らかになっていく物語。本木は、「この一筋縄ではいかない世界観に寄り添い、作品として仕上げてくださった若松監督に感謝します。良くも悪くもモヤモヤするところがあると思いますが、いろいろなものが自分事としてじわじわと響いていく作品です」と自信のほどをうかがわせた。

清水美砂

入れ墨師でもあった画家のパートナーだった女性を演じた清水は、「17歳の時に『駅 STATION』を見て、燃えるような情熱を持った。こんな大人の作品に出られる女優になりたいと今まで頑張ってきた。声をかけていただき夢がかなった」と感激の面持ち。本木とは、1992年『シコふんじゃった。』以降、幾度から共演しており、全身に入れ墨のメイクをして全裸での演技にも、「衣を着ているようでした。6時間かかって、落とすのにもっとかかるかけれど、あのシーンは2人の関係性を表現したいと全身全霊をかけました」と笑顔で話した。

若松節朗監督

若松監督は、「あなたがいなければ、この映画はできなかった。寝る間も惜しんで毎日のように宣伝もしてくださった」と返礼。倉本氏に対しては、「これまでとは作風や感じ方が違うかもしれないが、人間の命、美、愛をしっかりシナリオに書いてくださった。最後の映画と言っているが、あの親父はまた書いてくださると思う」と期待した。

かつての恋人役の小泉今日子は全国ツアー中のため欠席したが、手紙を寄せ「本木さん、切なくはかなくて素敵でしたよね。この映画の旅も、素敵な場所にたどり着けますように」と観客に呼び掛けるように祝福。本木は「ありがたいですね。映画は架空の物語ですが、役者にとっては自分たちのドキュメンタリーという側面がある。残っていく作品になって、私が80歳、90歳になって振り返ることができればと思う」としみじみ話した。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

【関連記事】

スポンサーリンク

Similar Posts