坂口健太郎『盤上の向日葵』に棋士役で主演、相手役は渡辺謙に決定

坂口健太郎主演『盤上の向日葵』ティザービジュアル
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「孤狼の血」などで知られる人気作家・柚月裕子氏の小説を映画化する『盤上の向日葵』に、俳優の坂口健太郎が主演。相手役を渡辺謙が務めることが発表された。2人は初共演となる。

坂口が演じるのは、山中で発見された白骨死体とともに埋められていた貴重な将棋の駒の持ち主で、プロ将棋界に彗星のごとく現れた若手棋士の上条桂介。「年齢を重ねて、自分の見え方が多少なりとも変わってきたんだなということを改めて確信した作品。最初に台本を読んだ時に感じたすごく密度の濃いものが現場ではより色濃くなって、血と汗と涙といった熱量をとても感じました」と振り返る。

渡辺に対しては、「現場でもコミュニケーションをたくさんとられ、常に自然体で、とても波長が合う、すごく気持ちの良い方でした。一方で、役としての全体の軸のようなものを示してくださって、さまざまなものをまとめていくエネルギーを凄く感じました」と尊敬の念。「相手の役を考えた上で自分の芝居をする。現場でいろいろな会話をして試しながら、2つの役の関係性を一緒に作り上げていった感覚がありました」と感謝した。

一方の渡辺は、賭け将棋で圧倒的な実力を持ち裏社会に生きる東明重慶を演じる。警察の捜査線上に名前が浮上し、上条に大きな影響を与えていく役どころで「将棋界を描きながら、深い業を背負った男の生きざまに心奪われました。将棋でしか生きられない切ない男たちの生き切る姿をご覧ください」と自信をのぞかせている。

2人が対峙することによって、上条の壮絶な過去が明らかになっていくヒューマンミステリー。坂口に関しては、「真っすぐです。桂介もさまざまな困難な生い立ちの中、懸命に真っすぐに生きていきます。でも東明に会ってしまい、将棋の奥深さと勝利への執念に目覚めます。それは坂口くん自身が悩み苦しむのに似ています。恐らく、彼の違う一面が見られるでしょう」と期待した。

2017年に小説を読んでほれ込み、「親子の葛藤と人間の業、人生の光と影を描いた重厚な人間ドラマとして大変面白く、映画化したいと直ぐに映画会社に持ち込んだ」のは熊澤尚人監督。自ら脚本も執筆し、「大変な難産でしたが、降りかかる苦しみの中、自らの意思で人生を選択していく男の物語であり、主人公のその心情を一番大切につむぎました。多くの人が共感できる作品を作り上げることができたのではないかと思っています」とコメントしている。

坂口については、「運命に翻ろうされ異端の棋士となる桂介を繊細に、そして大胆に演じきってくれました。脚本だけではうまくいかない要素を見事に演技で成功に導いてくれました」と絶賛。渡辺には、「脚本をはるかに超える作品に仕上げてくださいました。東明は継承を残す男ですが、私も渡辺さんから映画精神を継承する素敵な経験をさせていただきました」と最大級の賛辞を送っている。

『盤上の向日葵』は、10月31日に全国で公開される。

取材/記事:The Hollywood Reporter 特派員 鈴木元

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