“主役スターより目立ってはいけない!?” レッドカーペットに隠された意外なルールの数々

(左から): ホン・チャウ、ダヴィード・ディグス、ガブリエル・ユニオン、ミシェル・ウィリアムズ、ステファニー・スー 写真: © VIVIEN KILLILEA/GETTY IMAGES; AXELLE/BAUER-GRIFFIN/FILMMAGIC; JEFF SPICER/GETTY IMAGES; STEVE GRANITZ/FILMMAGIC
スポンサーリンク

役割を自覚して、それに応じて着飾るようにー。

2月に行われた、某新作TVシリーズのプレミア。そこで、知られざるレッドカーペットの“ウラ側”が明るみになった。当日、アシンメトリーのトップスに、黒のフレアパンツというシックなルックでカーペットを歩く女性の姿が。とあるベテラン俳優である。

「素敵な服を着たかった。でも、ほどほどにね。だって私は主演じゃないから」と彼女は言う。確かに、その俳優はドラマの限られたエピソードにしか出演していない。一方で、その夜は息を吞むようなドレスで登場した共演者もいた。

これまで米THRは、俳優・ファッション関係者に投票を実施。その結果、レッドカーペット文化に根付く数々のルールが明らかになった。

スタイリストのジェイソン・ボールデン氏によると「クライアントが役柄に沿ったルックになるように、配慮している」そうだ。ボールデン氏は、アンジェリーナ・ジョリーをはじめ、トレヴァー・ノアやセリーナ・ウィリアムズら多くのトップスターを抱えている。さらに、別のスタイリストからは「ただの“ゲスト”扱いのときに、ド派手なルックで登場する人はちょっとやり過ぎかな」という意見も。

イヴェット・ニコール・ブラウン、アニカ・ノニ・ローズ、2017年のエミー賞にて。 写真: © JOHN SHEARER/WIREIMAGE

俳優のイヴェット・ニコール・ブラウンも同意する。「誰かの結婚式に白を着ていく人なんている?自分が主役のプレミアなら、一番スポットライトを浴びたくなるのは当然。それ以外の人は、ただその場にいられることを感謝すべき。他のスターを目立たせるのは悪いことじゃない」と語った。同じく、俳優のミーガン・フォックスも当時のパートナー、マシン・ガン・ケリーグラミー賞初ノミネートを果たした際に、メタリックのド派手な格好をしたケリーとは対照的に、控えめな白のドレスで登場していた。

ミーガン・フォックス、マシン・ガン・ケリー 写真: © KEVIN MAZUR/GETTY IMAGES

また、このルールには別の要因も。豪華なスターが勢揃いするプレミアの場では、ズラリと集合写真を撮影する際に、脇役が目立ち過ぎると全体のバランスが崩れてしまう。つまり、調和を重んじて周囲のキャストにも気を遣わねばならないのだ。実際に、『ジュラシック・ワールド/新たなる支配者』に出演したディワンダ・ワイズは、以上の理由で華美さを抑えたドレスを選んでいたという。

しかし、これらのレッドカーペットの“お約束”に左右されない人々もいる。俳優のガブリエル・ユニオンは「いつも大胆にキメている」とルールを気にしない一人。同じく、俳優のダヴィード・ディグスも「これ!と思ったものが最高だったら、それが着ていくべき服だよ」と明かした。

他にも、クリステン・スチュワートらを担当するタラ・スウェンネンは「その人が何者かより、どこに行くのかということを考える。とにかく、着る人に心地よく感じてもらいたい」と語った。

さらにSNSのおかげで、慣習を無視しやすい空気が出てきたそう。インスタグラムなどで誰かのルックを投稿しても、その場に他の誰がいたか、ということは通常同じコンテクスト内で語られないからだ。

今年のアカデミー賞の助演女優賞にノミネートされたホン・チャウステファニー・スー、そして主演女優賞候補のミシェル・ウィリアムズもTHRに回答を寄せてくれた。チャウはルールに囚われず「自分の気持ちを上げてくれる、心地いいもの」を選ぶようにしているという。スーは「役柄に合わせるときもあれば、たまには嗜好を変えてみる。つねにお楽しみが続きます」と語った。そして、ウィリアムズはたった1つの重要なルールを教えてくれた。「良いドレスとは正当なドレス、そして正当なドレスとは良いドレスなのです」

オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌

スポンサーリンク

Similar Posts