「メットガラ」今年のテーマは“カール・ラガーフェルド”!: リアーナ、アン・ハサウェイ、ドージャ・キャットらが登場

ジェレミー・ポープ 2023年、メットガラにて 写真: ©KEVIN MAZUR/MG23/GETTY IMAGES FOR THE MET MUSEUM/VOGUE
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1日夜、ニューヨークのメトロポリタン美術館で“メットガラ”が開催された。今年のテーマは「カール・ラガーフェルド」。当日はセレブリティが特徴的なデザインのルックで駆け付け、60年以上のキャリアを誇ったラガーフェルドをトリビュートした。

特にゲストの間で多かったのは、ラガーフェルドが1983年に参加したブランド“シャネル”の代表的なデザイン。ニコール・キッドマンマーゴット・ロビークリステン・スチュワート、司会のペネロペ・クルス&デュア・リパ、ソフィア・コッポラ、マリオン・コティヤールら数々のゲストが、カメリアやツイード、白黒のペアを用いたルックで来場した。

女性の体重や同性婚に関するラガーフェルドの発言が取り沙汰されたことで、今年のテーマがSNS上で物議を醸していたものの、当日の会場はお祝いムードに包まれた。

カーディ・Bは黒のカメリアをふんだんに用いたスカートを纏い、リアーナヴァレンティノのシルクドレスで登場。特に、ラガーフェルドの似顔絵が描かれた全長10mのケープに身を包んだジェレミー・ポープは大いに会場を沸かせた。また、ポニーテールにサングラスというラガーフェルド自身の風貌を模したゲストも。ジェシカ・チャステインは黒のサングラスにプラチナのウィッグを被り、シム・リウは黒の上下に襟の高い白シャツと黒ネクタイを合わせたルックでデザイナーの精神を取り入れた。

リアーナ 写真: ©JAMIE MCCARTHY/GETTY IMAGES

レッドカーペットでリウは米The Hollywood Reporterに対し、以下のコメントを寄せた。「あのカールの美学に足を踏み入れられるなんて、とても興奮しています。とにかくアイコニックなデザインを再現し、敬意を払いたかった。そして、この襟の高いシャツにネクタイを選びました。彼は派手な方だったので、今日は私も華やかな気分になっています」

「とてもカールらしい。まさに、70年代の“クロエ”ですね」と語ったのはアマンダ・セイフライド。カルティエの18カラットのネックレスが絡み合い、8万個のビーズがあしらわれたヌードイリュージョン・ドレスで登場した。

アマンダ・セイフライド 写真: ©NOAM GALAI/GA/THE HOLLYWOOD REPORTER/GETTY IMAGES

アン・ハサウェイのドレスは、ラガーフェルドのシャネルのデザインと、ジャンニ・ヴェルサーチェの安全ピンを用いた1994年製のドレスをフュージョンしたもので、ドナテラ・ヴェルサーチェが作り上げた。キム・カーダシアンは、5万個のパールのロープがヌードブラとコルセットに垂れ下がった“スキャパレリ”のルック。一方、モード・アパトーはサテンとビーズのカットアウトドレスで登場。クロエのガブリエラ・ハーストが製作したオリジナルが会場に展示されていると聞くと大興奮した様子だった。「1983年にカールがプロデュースしたドレスを、ガブリエラが新たな解釈で製作したものです。とても素晴らしいと思います。ガブリエラは最高にクールな方で、オリジナルのドレスの隣で写真を撮るのが待ちきれません」

レイチェル・ブロスナハンは、スワロフスキーのクリスタルをあしらった“セルジオ・ハドソン”の黒いドレスでシアールックをチョイス。「長年、セルジオのファンなんです。彼自身、カールに多大な影響を受けています。セルジオが送ってくれたイメージの中から、90年代のゴス風のメッシュで着飾ってみました」そして、ジャネール・モネイからはこんなジョークが飛び出した。黒のスパンコール・ビキニの上にフープ・スカートを被ったルックは“もしトム・ブラウンとカール・ラガーフェルドとジャネール・モネイが3Pしたらどうなる?”という問いから派生したそう。

ジェシカ・チャステイン 写真: ©THEO WARGO/GETTY IMAGES

普段からミウッチャ・プラダとラフ・シモンズと組むことが多いラミ・マレックは、メットガラスタイルでも同様のアプローチ。「ミセス・プラダとラフとの仕事は大好きです。2012年秋/冬コレクションからカールがやりそうなものを見つけました。ただし、プラダ流ですけどね」カルティエの宝石を身に着け、襟のないシャツにベスト、ネイビーのパンツを合わせたマレックは「彼らは、そのコレクションにインスピレーションを受けたコーディネートを完ぺきに作り上げてくれました」と語った。

“キャロライナ・ヘレナ”のクリエイティブディレクター、ウェス・ゴードンがモデルのアドゥ・アケチに用意したのは、黒と白のドレス。ゴードンは米THRに対し「キャロライナ・ヘレナとラガーフェルド氏には共通するエレガントさがあります。双方のインスピレーションを受け、黒と白のアイデアを採用しました。スカートは手作りの花で埋め尽くされ、ボディスはパールで飾っています。スーパーモデルとして長年活躍しているアドゥによって、命が吹き込まれました。今日のデザイナーは、誰もがカール・ラガーフェルドに影響を受けている部分があります。今夜はその事実を祝い、はっきりと示すことが大切ですね」

当日、各ゲストはラガーフェルドを友人やメンターとして想起し、個人的な思い出を寄せていた。

アン・ハサウェイ、ジャレッド・レト、サルマ・ハエック・ピノー 写真: ©NOAM GALAI/GA/THE HOLLYWOOD REPORTER VIA GETTY IMAGES

肩にパールが施された真っ赤なグッチのドレスを纏ったサルマ・ハエックは“パリで隣人だった”というラガーフェルドのとある一面を明かした。「あまり知られていませんが、彼はスーパーマーケットにもポニーテールにサングラス、そして白と黒のスーツで出かけていました。あくまでも、彼は彼自身で居続けたのです。とても面白くて、優しい人でした」

バズ・ラーマンとキャサリン・マーティンも同意する。「カールとは何度も一緒に仕事をしました。彼は決して過去を顧みなかった。真夜中に撮影を飛び出して読書会に出かけてしまったり、人を呼び出して白シャツを着るように求めておいて、自分は下の階で夕食パーティーに参加してしまうような人でした。比類なきマインドの持ち主ですね」

マーティンは、ラガーフェルド時代のシャネルで購入したスーツを着用。しかし、サステナビリティの観点からオーストラリアの会社“Romance Was Born”がリメイクしたそうだ。「スーツを新たに作り変えてもらいました。カールとオーストラリアの素敵なコンビネーションになっています」

“トム・フォード”のタキシードを着たピアース・ブロスナンも妻キーリー・シェイ・スミスとともに、ラガーフェルドとの思い出をシェア。「数年前、カールは私たち家族の写真を撮影してくれました。まだデジタル写真が出る前の時代で、午後を海辺で一緒に過ごしました。カールのおかげで、とても大切な写真になりました」

ラガーフェルドを師として仰いだファッションデザイナーたちは、こんな裏話を明かしてくれた。マーク・ジェイコブスは「“ペリー・エリス”で初めて仕事が決まった時、カールから電報を受け取りました。ペリー・エリスは特別な人で、きっと素晴らしい仕事ができると言ってくれたのです」と振り返った。ザック・ポーゼンは「幸いなことに、彼から何度も素晴らしいアドバイスをもらいました。写真を撮ってもらったり、書斎でともに時間を過ごしたり。面倒見が良くて、新人と働くことが大好きな人でした。さらにカールは、長期にわたって一緒に仕事をした人間に対し非常に誠実だったのです。“パトゥ”のチーム(1950年代後半)でカールと仕事を始めて以来、ずっと彼に付いていった人もいますよ。カールは、本当に素晴らしかった」

ドージャ・キャット 写真: ©NOAM GALAI/GA/THE HOLLYWOOD REPORTER/GETTY IMAGES

ラガーフェルドの愛猫シュペットをモチーフにしたルックで登場したゲストも。米『VOGUE』の編集長、アナ・ウィンターは、スパンコールが施されたシャネルのアンサンブルを着用。近くで見ると、ファブリックには小さなシルバーの猫のパターンが散りばめられており、ウィンターは米THRに「猫を選んでみました」と笑顔を見せた。

『サタデー・ナイト・ライブ』のクロエ・ファインマンは、ビーズで飾ったピンク色の猫をハンドバッグに。一方、ドージャ・キャットは羽やシーグラスで制作された“オスカー・デ・ラ・レンタ”のドレスを着用。フードには猫耳が付いており、精緻なメイクもシュペットに近づけた。カーペットにシュペットそっくりの猫コスチュームで現れたのはジャレッド・レト。数分後、猫の頭をすっぽり外し、カメラマンに正体を明かした。そして身体のコスチュームも脱ぐと、黒の上下と肩に装飾が施されたケープの姿に。レトのコーディネートは“カール・ラガーフェルド”のクリエイティブディレクター、ハン・キムが手掛けた。

当日は、エレガントな着心地を好んだラガーフェルドのスタイルを取り入れたルックで溢れていた。中でもレトのトリビュートは、会場で最も強いインパクトを残した。そんなレトのインスピレーションの源で、月曜の夜に全員が称えた世界的デザイナーはきっと大喜びしていることだろう。

※今記事は要約・抄訳です。オリジナル記事はこちら。翻訳/和田 萌

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