『ベスト・キッド:レジェンズ』レビュー:懐かしさ全開の続編に―ジャッキー・チェン&ラルフ・マッチオが再登場

人気シリーズの最新作『ベスト・キッド:レジェンズ』が5月30日に全米公開(日本では8月29日公開)される。
ジャッキー・チェンがカンフーの達人ハン師匠役を、ラルフ・マッチオが空手の達人ダニエル・ラルーソ役で再びスクリーンに登場する。シリーズ6作目となる今作は、過去作の要素を多く取り入れた構成となっており、懐かしさが感じられる一方で、目新しさは控えめだ。
『ベスト・キッド:レジェンズ』のあらすじ
物語の主人公は、新人俳優ベン・ウォン演じる天才カンフー少年のリー・フォン。兄の死というトラウマを抱えるリーは、医師の母(演:ミンナ・ウェン)と共にニューヨークへ移住する。新たな生活を始めるが、母はリーに「喧嘩禁止」というルールを課す。しかし、転校早々にピザ屋の娘ミア(演:セイディ・スタンリー)との交流が原因でトラブルに巻き込まれていく。
リーは、ミアの嫉妬深い元恋人コナー(演:アラミス・ナイト)と衝突する。また、リーは借金を抱えたミアの父ビクター(演:ジョシュア・ジャクソン)を助けるために賞金を懸けた格闘トーナメントへの出場を決意する。
懐かしさ全開のファンサービスと既視感の演出
ストーリー展開は全体的に既視感が強く、リーが地下鉄でビクターを特訓するシーンなど、ユーモラスな演出も目立つ。後半にはハン師匠が再登場し、さらにカリフォルニアからダニエルも加わってダブル師匠体制となる。「ジャケットを着る/脱ぐ」といった1984年版を彷彿とさせる訓練シーンも盛り込まれており、往年のファン向けのサービス精神は随所に感じられる。
感動の余地を狭めた詰め込み脚本
しかし、94分という限られた上映時間にエピソードを詰め込みすぎた結果、物語は浅くなり、感動や驚きに欠ける。屋上でのトーナメントのクライマックスも、印象に残るには至らない。終盤には1986年の映像や、懐かしのキャラクターのカメオ出演などもあるが、それも過去の遺産に頼る印象が強い。
まとめ
『ベスト・キッド:レジェンズ』はシリーズへの愛と敬意にあふれた作品である一方で、物語の新規性や完成度には難がある。ノスタルジーはあるが、シリーズの未来を示す作品とは言い難い。
作品情報
- タイトル:『ベスト・キッド:レジェンズ』
- 原題:Karate Kid: Legends
- 日本公開日:8月29日(金)全国の映画館で公開
- 米国公開日:2025年5月30日
- 出演:ジャッキー・チェン、ラルフ・マッチオ、ベン・ウォン、ジョシュア・ジャクソン、セイディ・スタンリー、ミンナ・ウェン、アラミス・ナイト、ワイアット・オレフ
- 監督:ジョナサン・エントウィッスル
- 脚本:ロブ・リーバー
- レイティング:PG-13
- 上映時間:1時間34分
※本記事は抄訳・要約です。オリジナル記事はこちら。
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